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庭球ゲーム
てぃーだの下で(平古場)
甲斐「おい凜、どうしたんだよそれ」
平古場「…羽海野にやられた」

今にも笑い出しそうな顔で俺を見る裕次郎に思い切り不機嫌な眼差しを返す。裕次郎が言っているそれは俺の髪形のこと…いつもはただ下ろしている髪が綺麗に一本に編み込まれ、カチューシャのような形でピンで頭に止められている

甲斐「羽海野が?あいつ、意外と器用なんだな」

にやにやと笑いを浮かべながらまじまじと眺めてくる裕次郎に俺の機嫌は一層悪くなる。羽海野が見えなくなったタイミングを見計らって解こうとした矢先、裕次郎に会ってしまうとは本当に運が悪い

甲斐「けどよぉ凜、似合ってるさ〜」
平古場「裕次郎、お前は俺を怒らせたいのさぁ」
甲斐「本当のことやし。でも、なんでまたそんなことされたんさ〜?」
平古場「俺の髪が長くて暑そうだからってよ〜、人がよせって言ってるのにアレンジしてやるってこうさ。振りほどこうとしても、あいつ女とは思えない馬鹿力でよ」

まさか女相手に手ェ挙げるわけにもいかないしさ〜とぼやく俺にそれは災難だったなぁ、と裕次郎が相づちを打つ

平古場「お前、ちっともそんな風に思ってないだろ?」
裕次郎「いやいや、そんなことないさ〜」

嘘だ、顔が笑っている

甲斐「しっかしよ〜、女子ってそういうの好きだよな。まぁ、あいつあんまし女子らしくないけどさ〜」
平古場「俺はらしくないどころか女じゃないさ」
甲斐「拗ねるなよ、嫌なら解けばいいやんに」

それもそうだ思い返して頭に伸ばした手を止めかける

甲斐「どうしたよ、凜」
平古場「…やっぱりもう少しこのままにしとく」
甲斐「なんでまた…嫌なんじゃなかったんさ」
平古場「このまま解いたら跡がついてて余計変な髪形になるから、一本にまとめたいやぁ。小屋戻ってヘアゴムとってきてから解く」
甲斐「そっか」

納得したように返事を返すと小屋に戻ろうと歩き出す俺に、他の連中に見つかるなよ〜と裕次郎が言い残して手を振る
見つからないようにするのなら、どうせ解くのだからすぐに解いても良かったのだが…あんなに嫌だった筈なのに何故か解いてしまうのを躊躇われた。裕次郎は羽海野を女らしくないと言ったし俺もそう思うけれど、俺の髪をいじるあいつの指先は、時折触れる肌やかかる髪の感触は紛れもなく女のもので…思い返して気恥ずかしくなって頭を振った。それが勿体無い感じがして解きたくないとか変な気まぐれを起こしたのはきっとこの島を照らす太陽が暑すぎたせいだ…そう思うことにした

おまけ:
観月「だから!結構ですって言ってるじゃありませんか…!」
羽海野「まぁ、いいじゃん。別に減るもんじゃなし」
赤澤「羽海野、お前セクハラ親父みたいになってるぞ」
羽海野「おい、女子つかまえてオヤジはないだろ、赤澤〜。それこそ、セクハラになんぞ」
観月「見た目はともかく、あなた中身は確実に中学生女子じゃないですよ…!」

翌日、ミーティングの為に裕次郎と食堂に顔を出すと羽海野がルドルフの奴をつかまえて何やらやらかしている

平古場「あれ何さ」
木手「ああ…羽海野くんが観月くんの前髪がうっとうしそうだからアレンジさせろって騒いでるんですよ。全く、迷惑極まりない」
甲斐「あいつ、あちこちであんなことしてるのか」

見境ないな、と呟く裕次郎の言葉に心底同意する。そして、初めて少しだけ他校の奴に同情したくなった

ーーーーーー
あとがき

羽海野は見境ない様でいて、きれいどころばかりを狙ってやっています。理由は多分、見栄え(笑)
比嘉中のキャラソンを聞いてたらテンションあがりすぎてやらかした感じ満載
凜くん甲斐くんのうちなー口がおかしいのはどうぞご容赦頂ければと
あと一人称のわんとかやーとかは言葉だけで書くと違和感バリバリだったのでやめました。脳内で補完してください

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