ユリジュディ
ベットの上でラッビングを解き、箱に入ったブランデーのチョコを眺めて怪しげな笑みを向ける。
「酔わせる気かしら?」
「ジュディ酒強いだろ」
「あら、未成年よ私」
「…………」
反論の言葉が出て来ない。ほんと強いよな、口も戦力も。口でジュディに勝てる奴なんて居んのかね。
「せっかく頂いたから、ひとつ食べようかしら」
箱からひとつチョコを取り出し口へ運ぶ。俺はその行動をただ静かに見ていた。
「…意外と美味しいわ」
「意外とってなんだよ…」
「おすそ分け」
ふふっと笑顔を見せたかと思えば両手で俺の顔を包み込み、唇が触れた。突然のキス。普段から警戒心が強いため油断してたとは言えない。
「……酒キツイな」
「子供ね」
離れた唇からは甘いチョコの匂いと洋酒の匂いが空中を漂う。
酒のキツさに耐えられず眉を少しひそめる俺を見てジュディは満足そうな顔をし、俺から離れチョコを持って出て行った。
「………」
部屋に一人になった俺は片手で顔を隠した。口にはアルコールの味は残っているが甘い味も残っていた。
はたしてその甘みはチョコなのか、それともキスなのか。
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