クオミク どこかつまらなそうな、寂しそうな顔をして窓から外の景色を眺めているミクを見付けた。自慢の緑の長い髪を風になびかせて物思いにふけっているように見える。 後ろから静かに歩み寄りミクの頭の上に長方形の箱を載せた。 「ほい」 「え…?」 自分の頭の上から落ちて来た箱をうまくキャッチしてその箱を見ると可愛い赤のリボンでラッピングされていて、わなわなと俺を見る。 「お返し」 「……あんたのことだから、忘れてると思ってた」 「好きなやつから貰った物は忘れねーよ」 「ふーん………えっ?」 さらっと言うとミクは最初普通に聞き入れたが、俺が言った言葉を思い出して硬直した。 「いいいいいま、なんて!?」 「だから、好きなやつから貰った物は忘れねーって」 未だ理解出来ていないミクの顎を掴み無理矢理唇を奪う。時が止まったように静寂さが一瞬で広がった。 「これは特別」 唇を離すとミクは口を開けたまま放心状態だった。そんなミクをおいてきぼりにして俺はこの部屋を出て行った。 「……可愛いすぎだろ」 閉じた扉に寄り掛かり手の甲で口元を抑える。さっきのミクまではいかないけど自分も顔が熱いのがわかる。 力が抜けるようにずるずると俺は床に座り込んだ。 |