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ユリジュディ


「あら、ユーリ。何してたの?」




部屋の戸を開けるとユーリが居た。
正しく言うと居ることをわかってて来た。
案の定ユーリはベットの上で自分の剣とにらめっこをしていた。


「剣の手入れだよ。どうしたんだ?俺に何かご用でも?」

「あるから来たのよ。無きゃ来ないわ」

「まぁそうだろうな」


私達のいつもの会話。周りはおかしいと思うかもしれないけど、私達はこれが普通。



「あなたにチョコを渡しに来たの」



そう言って持っていたチョコを手渡す。


「作ったのか?」

「ええ。手作りよ」

「サンキュ、美味そー」


チョコを見て目を輝かせている彼は子供みたいに可愛い。
だって、彼は甘い物が大好きだから。

渡す物は渡したし、用は済んだと思うけど、本題はこれから。



「…戻んないのか?」

「あら、居ちゃお邪魔かしら」

「べつに…」

「味の感想が聞きたいの。今食べてくれるかしら?」

「…ああ」


剣を丁寧に床に置き、私の作ったチョコのラッピングを解き取り出す。


「…ちなみにチョコの中には何が入ってんだ?」

「普通食べる前に聞かないかしら?」

「いや、ちょっと…」

「そうねぇ…チョコレートとミルクと愛と……あと媚薬かしら」

「ぶっ!!!な、何入れてんだよっ!!」


予想通りの反応に満足し、げほげほとむせ返っているユーリの背中をさする。








「嘘よ。ほんとは睡眠薬」

「なっ…――」

「少し眠りなさい。…あなたは頑張りすぎよ」

「ジュデ―――」





ベットに倒れ込んだユーリの瞼がちゃんと閉じたのを確認して布団をかける。
すやすやと眠っている顔が幼くて自然と口元が緩んでしまった。






「おやすみなさい」






ユーリの頬に軽くキスをし、自前の触手を翻して静かに戸を閉めた。


あきゅろす。
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