BL novel
A
<とんとんっ〉
「(返事がない……。居ない……?)」
〈ガチャッ>
「失礼しま……」
草壁は開けてはならない扉を開けてしまった。
そこに広がる光景は……、
「あっ……どうも」
骸が雲雀を抱えて窓から飛び降りようとしている劇的瞬間だった。
「・・・えっと・・」
骸はにっこりと笑い、こう言った。
『貴方は何も見ていません。この部屋には誰も近付かないように指示し、即刻立ち去りなさい。』
「は…い……。」
骸は草壁に催眠術(?)をかけた。草壁は部屋から出ていった。
「クフフ。これで雲雀君は僕の「ふぁ〜〜〜」
雲雀起床。
「君、何してるの?」
「ク、クフフ。何の事ですか?おはようございます。」
骸はあからさまに焦っている。
「言ってること支離滅裂だよ……。
それとその手に持っている物は何?」
骸の手には蝋燭と縄が握られていた。
(何をしようとしていたかは皆様のご想像にお任せします。)
「こ、これは……、
今日は僕の誕生日なので…」
「ケーキの蝋燭ってこと?」
「はい」(苦笑)
「縄は?」
雲雀は骸の手に握られている縄を指差した。
「こ、これは……、隠し芸に……」
「ふ〜ん」
「(はぁ……。
何とか納得してくれたようですね)」
骸が安堵のため息を漏らすと、
「今日が誕生日なの?」
「はい?」
「君の?」
「はい。そうです」
雲雀は沈黙して、
「欲しい物ある?」
と訊いた。
「(欲しい物ある?
ほしいものある?
ホシイモノアル?
星芋野亜留?)」
骸は固まって動かなくなってしまった。
「……大丈夫?」
固まったまま動かない骸に呆れ顔で問う。
「雲雀君が欲しいです!」
今までにないほどの極上の笑みで骸は言った。
「クフフ……、こんな事を言ったら、また雲雀君に噛み殺さ「良いよ」
雲雀は骸の声を遮り、続けた。
「君が欲しいならあげる」
「本当…ですか…?」
こくんと頷き、
「本当」
と言った。
骸は驚愕と困惑を足して2で割ったような、つまり何とも言えない表情を浮かべていた。
だが、徐々に言葉の意味を理解したのだろう。ゆっくりと雲雀に近付き、
「雲雀君……、
大好きです!!」
雲雀に抱きついた。
「苦しいよ、離し「嫌です。」
きっぱりと言われてしまった。
「雲雀君、質問したいことがあります」
「…何?」
雲雀は少し不機嫌そうに、でも少し顔を赤らめて訊いた。
「僕の事をどう思っているか素直に答えて下さい。」
「なっ!!」
「僕の事、好きですか?」
雲雀は俯き、顔を真っ赤にして悩む。が、目線だけを上に向け、
「……僕は………バーンッ!
「骸しゃーん!迎えに来ました〜」
『・・・。』
犬が扉をおもいっきり蹴破るような勢いで扉を開け、入ってきた。
「犬……」
「あっ!骸しゃん、どうしたんれすか〜?何でアヒルと抱き合ってるんれす〜?」
骸はにっこりと笑い。
「殺します。」
「ふぇ?」
「(犬のバカ…)」←千種
「……!
うぎゃぁぁぁぁあああああ!!!」
その日、並盛中からは断末魔の叫び声が聴こえたと言う……。
「僕は……………?」
↑雲雀
終わり☆
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