『………あれ?』
化け猫がくわえていた腕を落とし人間の姿になると殺生丸の腕に目を向けた。
『…苦労して取ってきたってのに……』
溜息をつくと持ってきた鬼の腕を蹴飛ばした。
『……で、何で人間の腕なの?…邪見』
「わしじゃないわい!!どこぞの輩が畏れ多い事に殺生丸様を使って犬夜叉を殺そうと…!!」
『へぇ』
「確か“奈落”とかなんとか…」
『…“奈落”ねぇ……』
「殺生丸様!私は悲しゅうございます!!どこの馬の骨とも分からない輩の腕をお使いになるなんて!!私めは一体何の為に…!!それに――…」
その後も邪見の嘆き続いた。
ドッシャァァン!!
ヴオォォ!!
『おーおー、派手になさる』
巨大な鬼の肩に乗りながら相変わらずつまらなさそうに逃げ惑う村人達を見下げた。
と、見た事のある赤い衣が目に入った。
『……なんか増えてる…』
猫芽が呟いた瞬間殺生丸が飛び降り犬夜叉一行に攻撃を仕掛けた。
『…殺生丸ってホント犬夜叉の事嫌いだよねー』
「当たり前であろう!犬夜叉は半妖なのだからな」
『…あっ鉄砕牙奪った』
「何っ!?流石は殺生丸様!!素敵ーー!!」
『(………キャラが…)』
「教えてやろう犬夜叉、鉄砕牙の真の威力を……邪見」
「はっ!只今!!」
邪見が鬼を動かし森を叩くと沢山の妖怪が出てきた。
そして殺生丸が鉄砕牙を一振りした。それだけで、山諸共消し去った。
『……これが…鉄砕牙の威力…』
「殺生丸様かっこいいー!!」
猫芽はその威力に驚き、その刀にぶった切られたのかと思うとぞっとした。
『(よく生きてたな…)』
するとかごめ達が岩場の陰から出てきて何やら口論をし始めた。
「…あの法師の事なのか…?」
『知ってんの?』
「奈落とか言う者が言っておったが、犬夜叉より厄介だとか何とか…」
『…ふーん』
「どうせただの人間じゃ」
猫芽は興味深げに邪見は鼻で笑いその法師を見ていた。邪見は再び鬼を動かした。
「殺生丸様、後はこの邪見にお任せを!ゆけ!!叩き潰してくれるわ!」
「みんな、下がって!!」
法師―弥勒が前に右腕を前に出した。
『!?なっ何!!?(吸い込まれる…!?)』
あっという間に鬼の片腕が右腕の風穴に入った。
『(どうする!?逃げようにも逃げられない!!)』
猫芽は邪見を掴みながら必死に踏み止まる。
すると殺生丸が投げた蜂の巣から毒虫が出て来、弥勒の風穴に自ら飛び込んで行く。
途端に弥勒の顔が歪み風穴を封じた。
『…毒虫……』
猫芽は邪見を掴んだまま殺生丸の近くに飛びのく。
「………生きていたか」
『はっ誰が死ぬか!』
犬夜叉は殺生丸に攻撃をしかけ弥勒を連れその場を離れようとする。
後ろからは殺生丸が迫り来る。
そして鉄砕牙を振った。
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