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第六話‐参




「(ひぃ!!殺生丸様のご機嫌が最高潮に悪い…!!)」


邪見はその様子を縮こまって見ている。


「ふざけているのか」


猫芽は苦しそうに顔を歪ませながら片目で殺生丸を見、鼻で笑う。


『だったらどうする…っ…殺すか…?』

「おい猫芽!!」


邪見が制するが、殺生丸の手に力が篭った。


『ぅ……』

「せっ殺生丸様!その辺で勘弁してやって下さいませ!この邪見が厳しく言っておきますので…」

「………」


殺生丸は暫くして、手を離した。猫芽は崩れる様に座り込んで、喉を押さえる。


『げほっげほっ…はぁはぁ…』

「口には気をつける事だな。次は……殺すぞ」


そう言って殺生丸は去って行った。


『………けほ…』

「猫芽…貴様死にたいのか」


邪見は呆れた様に言う。


『………かもね…』

「は?」


息を整えた猫芽は木にもたれる。


『……母様……皆が死んでから…生きてく意味がわかんねーや…』


自嘲する様に笑い、地面を見る。
その時、頭に衝撃が走った。


『いたっ!』


どうやら人頭杖で叩かれた様だ。


「何を言うか!わしらには殺生丸様にお使えする事が生きる喜びじゃろうが!!」


腰に手をあて怒る邪見をきょとんと見ていたが、やがてくすっと笑った。


『らしくもなかったね。辛気くせーの』


邪見の頭をガシガシとすると、立ち上がった。


『さ!行こっか』

「(普段から素直にしとけば良いものを…)」


歩き出した二人は、殺生丸に会話を聞かれていた事を知らないのだった。




第六話
《帰れ、かごめ!お前の時代に》



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