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第六話‐弐




犬夜叉が何とかかごめを庇ったが、かごめは気絶してしまった。


弥勒達にかごめを連れ出来るだけ遠くに逃げろと言う。


「頼む。かごめを…死なせないでくれ」


そう言って殺生丸に走り出し、身を呈して鉄砕牙を止めた。


『…鉄砕牙を止めた…』

「せ、殺生丸様!!」

『どうする邪見』

「どうするってお助けするに決ま…」

『あ、腕がもげた』

「うわー!!殺生丸様ー!!」


邪見は慌てて殺生丸に駆け寄る。


「いかん!左手を取られては殺生丸様は鉄砕牙に触れる事ができん…!!」


だがそこで殺生丸に腹を貫かれた犬夜叉が膝をついた。


「殺生丸様、犬夜叉の奴めとうとう気を失って」
「それ以上前へでるな」

「は?」


その時鉄砕牙から閃光が邪見に向かって走った。


「(こいつ…気を失ってはいるが…私が間合いに踏み込んだら……確実に刀を振り切ってくる…!)」


鉄砕牙がを手にできないとわかった殺生丸は踵を返し、邪見と共に空に浮かんだ。


猫芽は犬夜叉を見遣ると、化け猫になり殺生丸に付いて行った。








「この虫共いつまで付いて来るのだ…」

「ふ…大方…狙いはこの四塊のかけら。これを捨てるのを待っているのだろう…」


殺生丸は腕を開けさせる。見ると腕の繋ぎ目が腕に向かって伸びていた。危うく腕に喰われる所だったらしい。

腕をもぎ取ると宙に投げ、肉体は溶け四塊のかけらを毒虫は持って去って行った。




「―――殺生丸め…しくじったか…」


そう呟く奈落の背後に静かに立つ殺生丸。奈落は慌てて取り繕った言葉を述べる。


「貴様あの腕で殺生丸様を喰い滅ぼすつもりだったのか!」

「滅相もない。お貸しした四塊のかけらを返して頂く為、ちょっと仕掛けを…施しておいただけ」

「用意のいい事だな」


殺生丸は少し口角を上げると、爪で奈落を切った。

獣の皮の頭が飛び、邪険は嘲笑うも逃がした様だ。


「殺生丸様…。怒りをお静め下され。何れまた、犬夜叉めを殺す算段がついたら…お尋ねするかもしれません…」


それっきり、奈落の気配は無くなった。


「つくづく食えない奴だ…」


すると、今まで見ていた猫芽が獣の皮を手に取った。


『………奈落…』

「ん?猫芽は何か知っておるのか?」

『……知らね』


皮を投げ捨て、頭の後ろで手を組んで歩き出した猫芽を横目で見る殺生丸。


「……猫芽」


足を止める猫芽。


「何故動かなかった」


犬夜叉との戦いの時、かごめを止めなかった事を言っているのだろう。


『命令がなかった』

「…ほぉ…?」


ダン!


『ぐっ…』


首を掴まれ木に押し付けられた。そのまま、足もつかない程締め上げられる。


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