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第六話‐壱
帰れ、かごめ!お前の時代に




「殺生丸!今度は腕、左腕をぶち抜くわよ!」

「左腕!?」


かごめには殺生丸の左腕に仕込まれた四魂のかけらが見えていた。

だがかごめが放った矢は軽々と避けられ、殺生丸が襲い掛かってきた。それを犬夜叉が阻止すると殺生丸が嘲笑う。


「早いな。その女の事になると」


殺生丸の頬には傷が出来ていた。




『(破魔の矢…昔母様から聞いた事がある…)おい』


猫芽は目の前の弥勒に声をかけた。ちなみにもう弥勒と戦う気力は無くなっていた。
それがわかったのか、弥勒も構えていた錫杖を降ろす。


「なんでしょう」

『あの女は巫女か』

「…さあ、生まれ変わりとか何とか…」


ふぅん、と頷くとかごめを見据える。


「せっ殺生丸様のお顔に傷がふがっ!!」


弥勒は振り返ると邪見の頭を殴った。


「…ふっふっふ…!!」

「え!!ちょちょちょっと先程と表情が違うんじゃ…」


慌てて逃げる邪見を掴むと、静かに唸った。


「調子こいてんじゃねぇぞ…てめぇ…!!」

「ああああの、あの…」

「や、やっぱり弥勒は不良法師じゃ…」


弥勒は邪見の胸倉を掴むと揺さ振り、問いただす。


「さあ…吐きな!!毒虫の巣!どこで手に入れた!!」

「猫芽助けて!!」


だが、猫芽は我関せず状態。殺生丸と犬夜叉の闘いを見てる。


「あ奴〜……」


邪見は渋々事を明かした。


「そいつの名は!!」

「名は…」

『……“奈落”』

「(奈落!?)」

「奈落と言うのは、確か弥勒が追ってる奴じゃな!?」

「奈落はどこだ!どこにいるんだ!!」

「知らぬ…それに、今更貴様が知ったところで無駄であろう!!」

「っ!!」

「どうせ貴様は虫の毒をたっぷり吸い込んで間もなく死ぬのだ」

「っ…」

「苦しいのか!?弥勒」

「…悔しいが…私はこれでも…っ…か弱い人間ですからね…!」

「きっ!ざまあみろ…!!」


苦し紛れの邪見は弥勒にボロボロにされた。


するとかごめがやって来、横たわる弥勒に解毒剤を準備する。

口移しで…と冗談を言う弥勒を余所に、小高い岩山から弓を構え殺生丸を狙う。


『………あんたがそれを打てばあたしがあんたを殺すけど?』

「!!」


猫芽は前を見据えたまま話す。


「やれるもんならやってみなさいよ!こっちには七宝ちゃんがいるんだから!!ねぇ七宝ちゃん!」

「へ!?おっおう!!いざとなったらおらの狐火で…!!」


猫芽がちらっと見ると、ひぃっと横たわる弥勒の影に隠れた。


そしてとうとう矢を放ち、それは殺生丸の鎧を砕いた。


「…かごめ!」

「犬夜叉、止めさせろ。半妖とは言え妖怪の血を持つお前が、死に際に人間ごときの加勢をうけてくれるな」


犬夜叉の静止の声を聞かず、懲りずに再び矢を放つが殺生丸に捕らえられ、矢が溶かされてしまった。


「邪魔と言うのが……わからんのか!!」


殺生丸はかごめに向かって鉄砕牙を薙ぎ払った。


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あきゅろす。
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