よっぱらっちゃった 「――病人に酒飲ますなんざ、とうとう頭まで老け込んだか」 「黙りな。ほら、とっとと布団に寝かしておやり」 カウンターにて、酔い潰れ突っ伏している李野に溜息を吐く。 銀時は舌打ちをしながらも、李野を背に背負う。 「…こいつが世話んなったな」 「その子もたまにはハメ外さしてやらないと、いつか壊れちまうよ」 「………」 「……銀時。わかってると思うけど…」 「……家に帰れば、もう二度と江戸に来る事はない…」 「………大切に」 銀時は何も答えず、少ししてから店を後にした。 ――万事屋に着いた銀時は、全く起きる様子のない李野を布団へと寝かせた。そして布団をかけてやり、側に胡座をかく。 顔にかかった髪をはらい、寝顔を暫く見つめる。 「………きれーな顔」 才色兼備とはこのことか。 整った顔立ちに長いまつげ。前に女装…じゃないな、女の格好をしてたが全然気づかなかった。 昔っからこいつは完璧だった。 顔もいいし、才もある。おまけに人柄良し家柄良し。少々残念な所はあるが。 「………壊れちまう、か…」 そういう人間程そうなるって聞くしな。 そういや俺はこいつの泣いた所、見た事も聞いた事もない。 「……………ごめんな」 そう言って起こさないように頭を撫でる。 「………お前の事、妹にしか思えねェんだわ」 だってガキん頃から一緒だったんだ。高杉は違ェけど、ヅラだってそうだ。 おやすみ、と言い残し部屋を出た俺はソファーで眠りについた。 Next ――――――― 相関図。 銀時 好↑|新 き|↓愛 好き 親愛 晋―→ 夢主 ―→辰 助←― ←―馬 新愛 好き 新↑|新 愛|↓愛 桂 [前へ] [戻る] |