この激しい展開、別な小説になってないか?
激しい斬り合いが続き、周りには土煙が立ち込める。
銀時は土煙で相手が見えない為、前を見据える。
スゥン
「!!」
「そこォ!!」
土煙の中から斬りかかってきたのをのけ反り避ける。
間合いを取る様に、橋の上に降り立つと直ぐさま似蔵が上から襲い掛かってきた。
「てやァァァア!!」
ドォンッ
そのまま銀時は浅い川の上にたたき付けられた。
「おかしいねェおい。あんた、もっと強くなかったかィ?」
「おかしいねェおい。あんた、それほんとに刀ですか……“刀と言うより生き物みたいだった”って…冗談じゃねェよ…!ありゃ生き物って言うより!化けもんじゃねェかァ!!」
ドシャーンッ
「銀さァん!!」
水しぶきの中、似蔵の前に銀時はいなく、気づいた時には後から斬りかかってきた。
受け止めるも後膝を蹴られ、仰向けで倒れる。
「喧嘩は!!」
銀時は刀を持つ(というより融合している)肩を足で抑えると木刀を振り上げた。
「剣だけでやるもんじゃねェんだよ!!」
だが、紅桜から伸びた触手の様な物が木刀に絡み付いた。
「っ何!?」
その隙をつかれ似蔵に横腹を膝蹴りされて、似蔵の上から退かされる。
「喧嘩じゃない……殺し合いだろうよ」
既に目前に似蔵がいて、斬撃を木刀で受け止めるが、木刀が折られてしまった。
壁に背中を強打し、遠くで新八の叫び声が聞こえる。
ハッと体を見ると胸を横一文字に斬られ、血が噴き出す。
「…おいおい…こりゃやべ…っ」
ズシュウッ
横腹を一突きにされ口から血を噴く銀時。
「…後悔しているかィ?以前俺とやり合った時何故殺しておかなかったと」
銀時は歯を食いしばっている。
「俺を殺しておけば、桂も水野もあんたもこんな目には合わなかった。全てはあんたの甘さが招いた結果だ。…白夜叉…」
「あの人もさぞやがっかりしてるだろうよ。かつて共に戦った盟友達が、揃いも揃ってこの様だ。あんた達の様な弱い侍の為に、この国は腐敗した。
あんたではなく!俺があの人の隣にいれば!!この国はこんな有様にはならなかった!!
士道だ…節義だ……くだらんものは侍には必要ない…!侍に必要なのは剣のみさね…。剣の折れたあんた達はもう侍じゃないよ…!
惰弱な侍は…この国から消えるがいい…ヒッ」
そう言い放った似蔵はニヤリとした。
「…剣が折れたって…」
銀時は両手で、自身に刺さっている剣を掴む。
「剣ならまだあるぜ…とっておきのがもう一本!」
刀を掴む手から血が噴き出、似蔵が抜こうとしても抜けない。
すると頭上から声が聞こえ見ると、刀を振り上げ落ちてくる新八がいた。そのまま右手ごと紅桜を斬られる。
「あらら〜、腕が取れちまったよ。酷い事するねェ、僕」
新八は銀時を背に、庇う様に立ち刀を構える。
「それ以上来てみろ!!次は左手を貰う!!!」
すると辺りに甲高い笛の音が鳴り響き、奉行所の人間達が周りを囲む。
場が悪くなった似蔵は紅桜を拾い去って行った。
新八は安堵のため息をつくが、すぐハッと銀時に駆け寄る。
「銀さん!しっかりして下さい!銀さん!!」
「ハハ…っ…新八ィ…おめェはやれば…出来る子だと…思っ…て…た……」
そこで銀時は気を失った。
[前へ][次へ]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!