予感
「おいおい、また辻斬りかァ?」
「これで何人目だよ…」
李野は河川敷に寝かせれている死体を、土手から人込みの中で見ていた。
「……江戸も物騒だな…」
そして、そこから離れ万事屋へと帰路につく。
高杉晋助が動き出した、か…。
李野は眉間に皺を寄せ、顎に手を添えて考えに更ける。
辻斬りに晋助……関連があるらしいが…
「(…何を考えている…?)」
「―――い、おい!」
ハッと前を見ると、何時も通りのやる気無しの顔があった。
「何をしているんだ?こんな所で。まぁどうせパチンコだろう山の如しだろうが」
「依頼だっつーの。何だ山の如しって、何の如しだ」
「一人でか?」
「まぁな。お前は早く帰ってガキ共の手伝いしてやれ」
首を傾げる李野に、簡単に説明する。
「…小太郎は来てないのか?」
「ああ。何か知んねェけどな」
「………そうか。最近物騒だからな。銀時も気をつけてな」
そう行って去った李野の背中を銀時は訝しげに見、依頼人の元へと足を進めた。
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