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まっぱだか


朝。
真撰組では、近藤が庭で木刀を振っていた。


「――何!?高杉が?」


土方は紫煙をはくと、


「…ああ、間違いない。監察が入手した確かな情報だ」

「……あの高杉がまた江戸に…」

「高杉かァ…確か前回は見事にやられやしたっけ」

「お前が何っ回便所に行ってたせいでな!!」

「あれ、おっかしいなァ…」


寝転がっていた沖田は体を起こし、アイマスクを下げると、


「その論法でいくと、真面目に働いてたどこぞのマヨラーは、俺以上に無能って事になりやしませんかィ?」


挑戦的に笑った沖田を見て土方は刀を抜き、沖田はバズーカを構えた。だが、近藤の声で二人は獲物をさげる。


「攘夷浪士の中で最も過激で危険な男――高杉晋助…。噂じゃ奴ァ……“人斬り似蔵”の異名を持つ居合の達人、岡田似蔵。


“紅い弾丸”と恐れられる拳銃使いの来島また子。


“変人謀略家”として暗躍する、武市変平太。


そして正体は謎に包まれた剣豪、河上万斉。


奴らを中心に、あの鬼兵隊を復活させたらしい…」

「鬼兵隊…!?攘夷戦争の時に高杉が率いていた義勇軍の事か」

「ああ。文字通り鬼の様に強かったって話だかなァ…」

「…だが今更、そんなもんを作っていったい何をするつもりだ」

「恐らく、強力な武装集団を作りクーデターを起こすのが奴の狙い………近藤さん、あいつは危険だ…!」


近藤は暫く考えた後、土方に情報を集めるのに全力を尽くせと指示を出し素振りを再開する。


「…それから近藤さん」

「ふんっ」

「素振りは全裸でなくてもいいんじゃねェか?」


その時、廊下の奥から山崎が慌ただしく走ってきた。


「また!辻斬りが出たそうです!」


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