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美少年→美人は絶対


李野達が去った後、子供達はわくわくといった表情をしていた。


「どうなるアルかなぁ。きっと美少年は美人になりやすいヨ」
「でも大丈夫かな、接客とか。姉上にしごかれてなきゃいいけど」
「新八、後で行ってみるネ」
「そうだね神楽ちゃん。銀さんも行きましょうね」
「あー?んなもん見たってしょうがねェだろ」
「そんな事言ってほんとは見たいに決まってるアル」


かったりィんだよ、とゴロゴロとジャンプを読む銀時を横目に新八と神楽はこそこそ話す。


「どう思うネ新八」
「どうって、李野さん銀さんにむきになる事多いし」
「銀ちゃんはどうか知らんけど」
「李野さんて…」
「間違いないアル」


二人は絶対連れて行こうと頷き合った。


























一方李野は――。




「そこはこうだって言ってんだろォがァァァ!!!」
「ぎゃひィィィ!!」


しごかれていた。


「よし、じゃあもうすぐで開店ですから仕度しましょう」
「……ああ」


何だか楽しげな妙に李野は息を切らしながら答えた。


「んー、李野さんは控え目が似合うわね」


そう言って着々と着物を着せられていく李野。


「ぅ……女子は何時もこんな息苦しい思いをしていたのか…」
「さあ、どんどんいきますよ!」


そうして着々と李野は“女”へと変わっていく。




そして、


「きゃあああ!!」
「いいわ妙!GOOD!!」
「発音いいな、おい」
「やっぱり。私の見込みは間違ってなかったわ」


騒ぐ店員達の前には着飾った李野が。髪はウィッグをつけている。


「…少し、気恥ずかしいな」
「李野さん…?」
「ひっ……き、気恥ずかしい…ですわ」


と赤らめた頬に片手を添え目線を逸らす仕草に、皆は更に騒ぎだった。


「完璧よ!!完璧すぎて何か出そう!!」
「お淑やかさがまたGOOD!!」
「発音いいな、おい」


騒ぐ店員達を余所に、そうだ。と妙は何かを閃いた顔をした。


「銀さんを少し驚かしてみません?自分だ、って言わないで酌してみたら?」
「しかし、髪は緑だからわかるだろう…ひっ…わかりますよ…」
「それでも、ですよ。この際だから新ちゃん達にも協力して貰いましょうか」
「…はあ…」


とここで遠くから神楽の声が聞こえてきた。


「ちょうどいい所に。私呼んで来ますね」
「わかった…ひっ…わかりました」


去っていく妙にじゃあ私達も、と出ていく店員達。李野は一人溜息をつき鏡を見た。


「……これで拙者も嫁に行くのかな…」
「――李野さん、入りますよ」
「李野ーどうなっ…て…」
「どうしたの神楽ちゃ…ん…」
「「誰?」」


二人は呆けた顔をし、李野を指差し妙に聞いた。それを見て李野はガックリとうなだれた。


「ね?上手くいきますよ、李野さん」
「え…李野さんて、この人が…?」
「キャッホーイ!!見違えたアルな李野!これなら銀ちゃんもヅラも驚くヨ!な、新八」
「………」
「何赤くなってるネ。いやらしい事でも考えてたのカ?これだから童貞は」
「違ェし!!童貞言うなし!!」
「…ん?今ヅラって…」
「面白いから呼んだ」
「何ィィィィ!!?」




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