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まさか


「お帰りなさい」
「銀ちゃん!見ろヨこれ!!」
「ったく、何なんだよ帰って来てそうそう……って」


銀時は神楽から差し出された巾着を受けとった。


「…何この大金……神楽、お前やっちゃってないよね?いやいつかはやると思ってたよ?そりゃ」
「違います銀さん、人助けで貰ったんです」
「この私と定春が人肌脱いでやったんだヨ!頭が高い!!この天パヤローが!ブワハハハハッ」
「昼間っからテンション高ェなオイ、俺ァ眠ィんだよ」
「まあまあ銀さん、神楽ちゃんも友達が出来て嬉しいんですよ」


それから銀時はソファーに寝転びながら神楽の話を聞いていた。


「行き倒れって…んな間抜けな奴いんのかよ」
「でもとてもいい方でしたよ」
「ふーん」
「定春の事も可愛いって言ってくれたネ!」
「へー」
「でも噛み付かれながら笑ってたな…」
「ほー」
「で、名前が、」

「「水野李野」」

「………」


銀時は少し固まると勢いよく飛び起きた。


「………いや、まさかな…」
「銀さん?」
「どうしたアルか?」
「………そいつの特徴は?」
「「?」」
「髪の色とかあんだろーが」
「そういえば珍しい感じでしたね」
「緑の髪してたネ、で顔は中々のイケメンだったヨ」
「………いやいやいやいや」
「さっきからどうしたんですか?」
「銀ちゃんとうとう頭パー子になったネ」
「俺は外しかパーになってないんですー、……はぁ…やっぱ俺の考え過ぎか…世の中に3人はそっくりくり子ちゃんがいるって言うもんなー」


銀時は再びソファーに寝転びジャンプを読みはじめた。


「…そういえば人を探してるって言ってたけど誰なんだろ」
「どうせ人を困らしてばかりの奴ネ!李野はいい奴だからそいつにきっと騙されてるアル」
「いや、何を根拠に…」


銀時はジャンプを読んでいたが全くページが進まない。


「……だァー!!」


そう言ってジャンプを投げ出し起き上がると、


「俺ちょっくら用事思い出したから、留守番頼むわ」
「えっちょ、銀さん?……行っちゃった…」
「気にする事ないネ新八、銀ちゃんもあーゆー年頃アル」
「どーゆー年頃!?」

























万事屋を出た李野は宛もなく歩いていた。


「…成し遂げたいなんて言ったが……どこを探せばよいのやら…」


少々腹が減ったなと思いながら歩いていた李野は、路地裏から小さい悲鳴が聞こえ、そちらに足を向けた。


「はっ離して下さいまし!!」
「いいじゃねェかよォ、ちょっとくらい」
「ちょっと俺らに構ってくれりゃあそれでいいんだよ」
「だからさァ…」


「――では拙者がお相手しよう」
「「「あァ?」」」


李野はさっと女を掴んでいた男の手を掴み上げた。


「一人の女子に寄って集って3人とは……情けないものだな」
「んだとコラァ、っ!?イテテテ!!」


李野は手を捻り上げる。それを見た他の二人は腰にある刀を抜く。


「主!早く逃げろ!」
「あっはい!ありがとうございます!!」
「ってめ!!」
「…その刀……元は侍か?」
「それがどうした!!俺らはなァ、幕府のせいで全部失った……今じゃ攘夷浪士…日陰者さ!」「…主ら、攘夷浪士か?」
「だからそう言ってんだろ!!」
「では、坂田銀時、桂小太郎、高杉晋助を知らぬか?」
「………てめェ…幕府のもんか?」
「いや違う、単なる人探しだ。昔の仲間でな」
「仲間…だと?」




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