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家族


「本当にありがとうございました。万事屋さんのお陰です」
「子供は主人と協力して育てていきます」


深々と下げられた頭を見て、銀時は頭をかく。


「もう行けって。他人のイチャコラなんて見たかねェんだよ」
「いや、あんた何もやってねェだろ。寧ろ鼻血しか出してねェよ」


お礼は後ほどと、去って行く二人を見る四人。


「いいですね、仲良くて。きっと産まれてくる子供も幸せだろうな」
「私、パピーに会いたくなってきたヨ」
「………」


黙って夫婦を見る李野に気付いた銀時は、李野の頭にポンと手を乗せた。


「帰んぞー」
「………」
「今日は新八も夕飯付き合え」
「え?」
「姉貴も連れてこいや」
「やっほー!久々に大勢で食事だヨ!!」
「仕方ないから長谷川さんも呼んでやるか」
「ちょっと、そんなに呼んで食費とか大丈夫なんですか?」
「そりゃこいつ持ちに決まってんだろ」


そのやり取りをぼーと聞いていた李野は、やがてフッと微笑むと、


「任せておけ」
「何でしたらお登勢さんとかも誘ったらどうですか?皆でバーベキューとか」
「急に遠慮ないな新八君」
「肉!!肉だ!久々の肉だ!」
「何か切ないな」


何やかんやで今日は川辺でバーベキューとなった。


「新八君、これで妙殿と一緒に食材を買ってきてくれ」
「……いつも思ってるんですけど、李野さんてどっからこんな大金…」
「新八君…世の中知らない方がいいという事があるんだよ。え?それでも知りたい?えーどうしても知りたい?なら…」
「やっぱいいっす!!今すぐ肉買ってきまっす!!」


マッハで新八は走って行った。


「私は何すればヨロシ?」
「お前は長谷川さん呼んでこい」
「了解しましたァァ!!」
「俺達はババァんとこ行くぞ。んで炭とか運ぶ」
「ハハ、わかった」
「…何笑ってんだよ」
「いや、何かな……胸が一杯というか腹が減ったというか」
「どっちだ」
「…ありがとう銀時」
「てめェの金なんだ。てめェに感謝しろ」






まるで“家族”みたいだな。


なんて言えるかコノヤロー。




銀時、これが主の奢りだったら接吻の一つでもくれてやったのにな。








「上手かったアル!!ありがとネ李野!!」
「どう致しまして」
「思ったんですけど、万事屋も一つの家族みたいなものですね」
「かもな」
「そしたら、銀ちゃんはプー親父で新八はやたら五月蝿いオカンアルな」
「やっぱ僕ってオカンなんだ…」
「おいおいプー親父って何だ。常にプープーかましてるみてェじゃねェか」
「そして私は思春期真っ只中の男遊びの絶えないフェロモンムンムンの長女で、李野は恋にちょっと初な私の妹アル」
「設定が喧しいわ」
「……拙者も入っているのか…?」
「当たり前ネ!李野も立派な万事屋の一員ネ!!」
「そうですよ李野さん」
「…今ちょっと母性本能でた」
「ね!!銀ちゃん!!」
「ああ、そうだな」
「!」




今度甘味でも買ってやろう。




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あきゅろす。
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