依頼だ依頼だ 「で、依頼って何ですか?」 やっと揃った面々を一瞥しながら、新八は本題へと入る。 神楽はもしゃもしゃと酢昆布を食べ、銀時と李野は真っ青な顔で胃を押さえていた。 依頼人の男は西藤と名乗った。 「はあ、実は私悩んでおりまして…」 「お前のハゲ散らかした頭を見れば一目瞭然アルな」 「妻が冷たいんです…」 「おっさん亭主としても男としても役立たずっぽいもんな。下半身大丈夫か?」 「妻とは二人なんですが……どうも邪険にされるんです」 「臭うんじゃないか?」 「泣いていい?」 西藤は決心した様に、拳を握ると 「妻の愛を確かめて欲しいんです!」 その言葉に面倒臭いと思った銀時は断ろうと口を開くが、新八に素早く押さえ込まれた。 「ど、どうやって確かめればいいんですか?」 「万事屋さんが、妻に色目を使って妻を誘って欲しいんです」 「成る程…もし誘いに乗ったら夫に愛なんて無くて、逆に乗らなければ愛はあると…」 「はい……それをあなたに頼みたいんです」 西藤は指を指し、真剣な表情で言った。 「は?拙者が?」 「そうです。ここにものっそい美少年がいるという噂を聞いて来たんです」 「待て待て、こいつが行ったら誰でも乗っちまうだろーが。ここは控えめなイケメン、銀さんが人肌脱ぐしかねェな」 「ですが…そんな死んだ色目使われても流石に…」 「うっせェな、いざとなったら煌めくんだよ。40代のババァなんかに興味ねェが…」 「いや、妻は20代です」 「ストライクゾーン来たァァァ!!」 「ちなみに私も20代です」 「「「えェェェェ!!?」」」 「そしてこれが妻の写真です」 「どストライク!!」 美人の妻を見て俄然やる気の出た銀時は立ち上がった。 「はいはいはーい!!銀さんいっきまーすっ!!」 「銀さん…」 「これだから男の下心はまる見えなんだヨ」 「む…」 李野は神楽の言葉に反応した様に眉間にしわを寄せた。 「あの…出来れば美少年さんにお願いしたいんですが…」 「行っとくけどなァ、こいつはおん」 「承知した、是非ともやらして貰おう」 そう言うと、西藤は早速と妻の所に案内しようと立ち上がる。それを横目に新八が李野に耳打ちする。 「ちょっと、大丈夫なんですか?」 「ふん、拙者に任せておけ」 「チッ……これだから顔がいいやつは」 「男の嫉妬は見苦しいだけアル」 [前へ][次へ] [戻る] |