マヨ方(と時々ドS)3
「ちはーっす。土方さんいやすかー?」
出て行こうと扉を開けようとした李野だったが先に向こうから開かれた。
「あ、いたいた。また飽きもせず犬の餌なんか食ってたんですかィ?」
「マヨネーズに誤れクソガキ。で何か様か総悟」
現れたのはバズーカを担いだ沖田総悟だった。
「ちょいとそこで攘夷浪士ぶっ飛ばした所なんでィ」
「ほー、それで」
「ついでなんで土方さんにも死んで貰いやすぜィ」
「ついでって何だ、ついでって!!」
「……伊織…?」
「総悟でさァ。って誰でィあんた」
土方にしか眼中になかった沖田はやっと目の前の李野に気付いた。
李野は唖然とした目で沖田を見ている。
「?」
「……いや、何でもない。失礼した」
李野は沖田の横をすり抜け歩いて行った。
伊織って確か…。
銀時は宇治銀時を持って立ち上がる。
「おやじ、これテイクアウトで。勘定はこいつ持ちで」
「「ふざけてんじゃねェぞ」」
土方とおやじの声を無視し銀時は李野の跡を追った。
残された土方は青筋を浮かべてピクピクと震えていたが、ふと考えた。
「(…あいつどことなく総悟に似てたような…)」
「死ね土方コノヤロー」
「どがァァァァァ!!!」
「おい待てって」
「銀時なんて死ねばいいのに」
「悪かった、俺が悪ゥござんした」
「死ねやまじで」
隣であんこ丼を食べながら謝る銀時を冷めた目で見る。
「伊織ってさァ、お前の死んだ弟だろ」
「よく覚えてたな」
「銀さんは脳にまで糖分が行き届いてんだよ」
「だろうな」
深い意味はないのにそれだけで嬉しいと感じる拙者は頗る滑稽だな。
って言うと思ったかコノヤローォォォォ!!
「……あ奴が伊織に瓜二つだった」
「総一郎君がねェ」
「少し驚いただけだ」
そう言ってスタスタと歩く李野。
「怒ってんの?」
「いや、胸なんぞ殿方に初めて触られたんでな。驚いただけだ」
「は?」
無表情で言った李野はやはりスタスタと歩いていった。
え?俺って何か重大な事しちまったんじゃね?
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