マヨ方1
朝、新八はライブに行き神楽は何やら悪ガキ達と遊びに行った。
「なあ銀時」
「あー?」
「暇だ」
「あっそ」
言わずもがな銀時と李野は二人きりなのだが、依頼もなく、銀時といえばソファーに寝転がりジャンプを読んでいる。李野は暇でしょうがない。
「よし、散歩にでも行こう」
「おー、行ってこい」
「主も行くんだ。この辺を案内してくれ」
「あっそ」
「む…」
どうすればこの腑抜けを動かせるか…。
「仕方ない。甘味処にでも行くか」
「お前のおごりな」
「………」
二人は甘味処へと向かった。
「雑炊一つ頼む。銀時は?」
「お前甘味処っつったよな?どーして定食屋にいるわけ?」
「ちょうど昼時だったから」
「あーくそ、チョコパフェ食いてェ」
「だいたいお主はそんなだから腑抜けになるんだ。お、きたきた」
調度カウンターに来た雑炊を早速食べる李野。その隣で銀時は舌打ちしながら注文をする。
「「おやじ、いつもの」」
「「あ?」」
だぶった声を不思議に思い横を向くと、同じく横を向いた土方と目が合った。土方は休日らしく、着流しを着ている。
「「………」」
「あちち」
おいおい冗談じゃねェぞ。何回目だ。
そう同時に思った両者の間で何とも気の抜けた李野の声が響いた。
「多串くーん、いい加減やめてくんないかなァ」
「誰が多串だコラ。てめェこそいい加減にしやがれ」
「飯くらい穏やかに食いてェんだよ、俺ァ」
「奇遇だな、俺もだ。というわけで出て行け」
「はァ?何でマヨラーなんかの為に俺が動かないといけないんですかァ?てめェが動けや、この税金泥棒」
「んだとこの甘党が。こっちこそ御免だな」
ドカッと同時に座り、自身の“いつもの”をそれぞれ頼む。と、ここで雑炊を冷ましながら食べる李野に気づいた。
「お前、見ない顔だな」
「ん?」
その声を聞き、李野も土方を見る。
「何だ銀時、知り合いか?」
「「違ェ」」
「……知り合いか」
「「違うっつってんだろ」」
随分仲が良いのだな。と見解した李野だった。
「拙者は新しく万事屋に入った水野李野だ」
「物好きもいたもんだな」
「こいつは多串君だ」
「土方だ!!」
「よろしく、多串殿」
「土方っつってんだろ!斬るぞてめェら!!」
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