退路は任せろ
李野と桂は目の前にいる天人を斬ると、次々と現れ出した天人をも倒す。
「どけ…!!俺は今虫の居所が悪いんだ!」
「桂さん!!」
外に出て来た銀時達と桂一派と背中合わせになった。回りには沢山の天人達に囲まれている。
「よォヅラ。どうしたその頭、失恋でもしたか?」
「黙れ。…イメチェンだ。貴様こそどうしたそのナリは。爆撃でもされたか?」
「黙っとけや、イメチェンだ」
「どんなイメチェンだ」
「あれェ?そこにいるのは李野か?よろよろで見えなかったなァ」
「あぁ?」
「すんません」
どうやら李野はすこぶる機嫌が悪いらしい。
「桂さん!ご指示を!」
「退くぞ」
「えっ!?」
「紅桜は殲滅した。もうこの船には用はない。後方に船が来ている、急げ!」
「させるかァ!!」
「全員残らず刈り取れェェエ!!!」
逃げさせまいと攻めてきた天人達。それを銀時、桂、李野は見ると、同時に踏み込み第一派を薙ぎ倒した。そして背中合わせになると、
「退路は俺達が守る!!」
「行け!」
でも、と渋る新八と神楽をエリザベスが抱え後方に向かった。他もそれに続く。
「…李野も行って欲しいのだがな」
「ハッ、抜かせ。主らだけに任せておけんわ」
「言ってくれるじゃねェか。せいぜい、足手まといにはなるなよ!!」
三人は剣を構えた。
「行けェェェ!!あの三人の首を取れェェエ!!!」
そして一気に切りかかっていく。
三人は背中を任せ合う様に共闘し敵を次々と倒していく。李野は持ち前の身軽さを武器に敵の攻撃を交わし、切っていく。
桂が一人の天人を相手にしている時、頭上から三体の天人が襲おうとした。だが桂が上を向くと、既に銀時が飛び上がっていて二体を倒していた。
残りの一体が攻撃をしようとするも、更に銀時の後ろから飛び上がった李野が銀時を飛び越えそれを切った。
銀時が着地すると、桂の背後にいた敵を、銀時の背後にいた敵をそれぞれが切り、その二人を襲おうとした天人を上から李野が脳天から一突きにした。
「怯むなァ!!押せ!!押せェェエ!!!」
桂は巨大な天人を倒すと、声を張り上げた。
「銀時、李野!!」
「あァ!?」
「世の事というのは中々思い通りにはいかぬものだな!!悔いどこらか!!友一人!変える事もままならんわ!!」
「ヅラァ!!お前に友達なんていたのかァ?そいつは勘違いだ!!」
「切り殺されたいのか貴様はァ!!」
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