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大人気ない喧嘩


「だから悪かったと言っている」
「あーそうですか」
「……機嫌が悪いならそう言えばいい。怒っているのはわかるが、その態度はないだろ」
「ハッ。それをお前が言うか?てめェこそ機嫌が悪ィみてェじゃねェか。どうせ二日酔いだろ」
「ああそうだ。だから話は後にしてくれと言った」
「おめェがいきり立ったんだろーが」
「別に怒ってはいない。だいたい子供ではないのだから、体調ぐらい管理できる」
「管理できてたら倒れねェだろ。第一俺にしたらまだまだガキだね」
「な…」


いつもの喧嘩とは違う雰囲気に戸惑う新八と神楽。

言い返そうとした李野だったが、これでは埒があかないと一つ息を吐いた。


「…子供でいいから今は寝かせて…」
「どうせ、辰馬に愛の告白でもされて混乱して酒に逃げたんだろ?そこが青いっつーんだよ」
「…話はやめだ」
「すぐムキになるわ、後先考えねーわ、全く…智恵とは大違いだな」
「!!!」


目を見開いた李野。銀時も“言ってはならない”事を言ったのに気づいた。


「あ…その、今のは悪かった…」


李野は答えず、ゆっくりと立ち上がった。そして、自身の刀を取り銀時に投げた。

咄嗟に受け取った銀時は目を疑う。


「…んだよこれ…」
「……そんなに智恵がいいなら拙者が死ねばよかったんだ」
「は…?」
「殺せ」
「!?」
「ちょ、二人共落ち着いて下さい!!何も言い合いくらいで刀抜かなくても!!」
「李野!女心がわからない奴はほっとくアル!姐御と一緒に遊びに行くネ!!」


二人はその場を取り繕う様に言うが、李野は止まらなかった。


「拙者が死んでも智恵は戻らないが、少しは主の気も晴れよう」
「…俺にそんな気はねェ」
「最初、お主はああ言ったが本当は拙者を恨んでる」
「違う!!」
「何が違う!!さっきの言葉が証拠だ!!心の奥底では思っていた!!そうだろ!?」
「違うっつってんだろ!?そんな事微塵も思っちゃいねェ!!」


銀時も立ち上がり怒鳴り合う。

言い終わった二人は息も荒く睨み合う様にしている。


「あ!そ、そういえば李野さんに手紙きてましたよ!ほらっ」


何とか話題を逸らそうと、新八が慌ててその手紙を李野に渡した。


「……拙者に…?」
「は、はい!差出人の住所が広島だから、きっと親御さんじゃないですか?」


訝し気に顔を歪めると、手紙を開いた。


「……………………!!!」


読んでいく内に、わなわなと体を震わせ目を見開いていく李野。


「李野?どうしたネ、危篤の知らせアルか?」
「んな訳あるか!!」
「……帰る」
「え!?ほんとに!?」


手紙を畳み、懐に入れると荷物をまとめ出した。元々少ない荷物のためすぐ済んだ。




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