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狼御礼・拍手短編・番外編小説  (槙村・ヤマト)
3人のいけない×××?
夏合宿深夜。寝静まった生徒達を尻目に、鈴は春彦に起こされた。
「ん…どうしたの?」
鈴は欠伸をしながら、春彦を見る。すると春彦は自身の唇の前で、人差し指を当てた。
「静かに。剛が待ってるから、おいで?」
「?」
隣の布団で寝ていた筈の剛は居ない。
「ホタルを見つけたんだ。見る?」
ホタルと聞いて、鈴は眼を輝かせてコクコクと頷く。
鈴はカーティガンを羽織って、春彦に連いて行った。
静まり返った廊下は不気味で、渡り廊下へ出た時には怖くて、春彦の背にしがみ付いた。
「剛、何処に居るの?」
「寺の裏に小川が在っただろ? 其処に居るよ。俺は昔其処でホタルを見たけど、まだ居たから驚いた」
「へぇ。僕ホタルを見た事無いんだ! 楽しみ〜…春ちゃん?」
春彦は鈴の手を握り締めて、あろう事か唇に鈴の手の甲を当てた。
鈴はドキンとして狼狽える。
「楽しみだね」
春彦は妖艶に微笑んだ。「う…ん」
用意されたサンダルを履き、春彦に連れられて目的の小川に行くと、浴衣を着た剛がこっちだと手を振る。
広げた茣蓙にアグラをかいた剛は、ランタンを端に寄せて隣に来いと促す。
見ればホタルが沢山舞っていた。
「ホタル綺麗っ! ねえ、剛浴衣着たの?」
「俺のをあげたんだよ。似合うだろ?」
「うん!」
隣で剛が照れて缶ビールを飲み干した。
「ビール!?」
「内緒な?」
剛がアルコールの匂いを吐きながら、春彦にも渡す。
「今夜だけ特別」
春彦も缶ビールを開けて飲んだ。

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