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狼御礼・拍手短編・番外編小説  (槙村・ヤマト)

鈴は台所で薫の服を掴んだまま、リビングで直人と里桜がトランプをする姿を見詰めていた。
「一緒に遊んだら?」
鈴は薫を見上げ、リビングに要る里桜を見て俯き、直人の隣にちょこんと座った。
「鈴ちゃんもやる?」
「う〜」
頷いた鈴を、里桜は睨んだ。
「何云ってるか判んない!」
「里桜」
「に〜に〜」
「兄ちゃん違うもん!」
「あら鈴が兄ちゃんって呼んでるの、判ってるじゃない」
「…」
里桜は紅くなって、持っていたトランプをばらまき、自室へ駆けて行った。
「あら鈴?」
鈴は立ち上がって、里桜の後に連いて行く。
「里桜は恥ずかしがりだな」
「あなたに似たのよ」
直人と薫が微笑んだ。


鈴は部屋を覗き、里桜が居ない事を確認すると、別の部屋を探す。
「に〜に?」
里桜が居ない。
鈴はパタパタと走って、玄関を出た。
「り〜…お」
鈴は来る時に見た近くの公園へ向かった。
きっと里桜は其処に要る。
鈴は周りを見渡して、見つけた公園へ入った。小さな敷地内の真ん中に、象の滑り台が在る。


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あきゅろす。
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