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狼御礼・拍手短編・番外編小説  (槙村・ヤマト)
4万ヒット御礼新しい家族
『新しい家族よ里桜。弟の鈴。いろんな事が遭って、今はちゃんとお話し出来ないけど、宜しくお願いね?』
薫から、お願いをされた里桜は、きょとんと自分を見詰める男の子を凝視した。なんだこれは?
大きな瞳にふわふわな癖っ毛は、柔らかくて雛みたいだ。
祖母の後ろに隠れる鈴を、里桜はなんだか気に入らなくて、そっぽを向いた。そこでまた鈴は泣き出した。
そんなある日、向かい側に住む武が、母親に頼まれた回覧板を手に、裏庭へ来た時だ。
「誰だお前」
見知らぬ子供の姿に、武は興味津々で問う。
お昼寝をしていた鈴を覗き込んで、武は妙にどきどきしながら、眠る鈴の愛らしい唇を見詰めた。
確か絵本に出て来たお姫様は、キスで眼が覚める筈。と、武は鈴の唇にチュウっとキスをした。
パチンと瞬きをした鈴は、ドアップに在る武の顔にびっくりして、鈴は思わず泣き出した。
「な、何!?」
「…何やってんだよ」
鈴の泣き声を聞きつけた里桜が、和室へ入って来た。
「何って、知らない子が居たから…」
いつもはガキ大将な武が、真っ赤な顔で狼狽えている。


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あきゅろす。
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