鬼畜オオカミと蜂蜜ハニー(鈴編) 逢瀬 そんな晴臣を鈴は照れながら見送り、洗面所へ向かった。 「…隼人さん」 先に来ていた隼人にタオルを渡され、ドアを閉められた。 「はや…とさ? んあ…ふ」 抱き寄せられ唇が重なる。舌が鈴の上顎を撫で、首を仰け反らせた鈴の頭を右手で支える。 「ん、ふ、んん…」 鈴は震える両手で隼人の肩を抱き締めた。離れた唇から透明の糸が伸びる。 「…鈴、後で抜け出そうか?」 「……うん」 鈴は恥ずかしそうに隼人の胸に額を押し当てる。何度キスを交わしても、この初心さは堪らない。 「あ、そういえば」 鈴は何かを思い出して隼人を見上げた。 −−−大きな双眸と小さな唇が愛らしい。 「今日、春ちゃんに逢ったの」 「…春ちゃん?」 隼人は首を傾げた。 −−−誰だそれは。 「うん。昔遊びに来てた宮根晴彦」 隼人は双眸を見開き、眼を逸らした。宮根晴彦は、隼人の大学時代の後輩で性の発散に作ったセフレのひとりだ。今は鈴一筋でとっくにセフレ達とは縁を切っている。 「…それで?」 「それがね? 今度学校の校医になるって。凄い偶然だよね?」 「へぇ…そうだな。うん、凄い偶然…」 「…隼人さん?」 鈴は首を傾げて、洗面所から出て行く隼人の背中を見詰めていた。背中にビンビン視線を感じる。 −−−これはヤバイな。晴彦の奴、鈴に余計な事を話さなければ良いが。 夕飯を終えた5人は、再び荷造りを再開する。 「何か飲み物を買って来ますよ父さん」 晴臣は台所の荷造りする手を止めた。 「そうだな…任せるよ」 「了解、鈴、荷物持ちだ。おいで」 傍に居た鈴は喉が渇いたので、丁度冷蔵庫の中から麦茶を取り出していたのだ。 「は〜い」 一度出した麦茶を終う。壁掛け時計は21時を回っている。玄関を出ると、じっとりとした空気が不快にさせた。 「行こうか」 隼人はコンビニとは逆の道を歩く。 「隼人さん? コンビニあっちだよ?」 「そっちは後で」 手を繋いだ鈴の手が熱い。鈴は胸がキュンとした様子で、恥ずかしそうに俯いた。 街燈に虫が集まって、青白い光が乱舞する。 向かったのは、近所に在る公園で夜は暗く人気が無い為、この辺りの住人は近付かない。 鈴は薄暗い中を歩きながら、不安になって隼人を見上げて来た。 「何処まで行くの?」 「うん? もう着いたよ」 見れば池のほとりに在るテーブル。 「こっちへおいで」 静かな水面が月を映し、カルガモが草叢の影で眠っている。虫が鳴く声が不気味に聞こえるが、気にしない。隼人は鈴を抱き上げ、テーブルに座らせた。鈴は紅くなりながら、まさかと隼人を見詰める。 「こ、此処で?」 隼人の手が鈴のシャツを捲る。 「もう待てない…1週間、君に触れてなんだから……ね?」 「で、でも、あん…」 ピンク色の乳首を舐められて、鈴は思わず両脚開いてしまった。そこへ、隼人が身体を割り込ませる。いつ誰が来て見るか解らないこの状況に、隼人は鈴を抱こうとしている。もしかしたら、ホームレスが居るかも知れない。でも…。 最近この辺りでホームレスを見掛けたからと、里桜から近付くなと注意されていたばかりだ。なのに。 「鈴…」 ゆっくりと鈴を木のテーブルに寝かせると、目許を紅く染めた鈴の瞼にキスをし、米神に触れ、唇を重ねて来る隼人に抗えない。 「ん…」 大きな掌が胸を撫で回す。屹ち上がった乳首が掌に触れられ、鈴は背を仰け反らせた。 「あんっ」 隼人の舌が鈴の乳首に触れると、鈴はもっとしてと胸を突き出す。恥ずかしいのに。して欲しいなんて…。誰かが見ているかも知れないのに。そう思うと、何故か腰の奥が熱くなった。隼人は飴玉を味わうように、舐る。 「あふ、あうっ」 [*前へ][次へ#] [戻る] |