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「はあぁ〜…」
あれが夢だった何て落ちも確かに寝覚めが悪いけど
現実だって分かった今余計に憂鬱な気分かもしれない
「はあああぁぁ〜…」
「だああ!淳うっせー!」
「何だよ徹平…はぁ〜」
「何だよじゃねえ!さっきからため息ばっかしやがって、うっせーんだよ!」
バンッ!っと机を叩き訴えてくるのは中学からの友達である太田徹平(おおたてっぺい)
偶然な事に同じ高校に入学しこれまた偶然な事に同じ商業クラスに
とにかく良く馬の会う奴だ
「テメーのため息のせいで授業集中できねーだろ!」
「そんなこと言ったって、はぁ〜」
「くそっ!テメーがそんなヘナヘナしてると気になっちまうんだよ!」
地毛だと言い続けている赤髪と変わらない程に顔を赤らめそっぽを向いてしまった徹平
うーん。時々徹平が解らなくなるんだよな
「ごめん徹平、拗ねんなって」
「す、拗ねてなんかねえ!」
「分かったから静かにしようぜ、今」
辺りを見渡せばほとんどの者がこっちをガン見し、一部の女子達は何故かキャーキャーと騒ぎながらカメラを向けてくる
おいフラッシュ眩しい
つかその前に君ら…
「授業中だからさ」
――――――
―――
―
「んで何でそんなにシケタ面してんだ?」
「シケタ面って、」
「べ、別に淳の顔がわりーとかじゃなくってだな!ただ単にあれだ、ほら…って、だああ!何言ってんだ俺はああ!」
「お、おい徹平落ち着け…」
午前の授業は全て受け終わり腹ごしらえにと俺は徹平と二人で食堂に足を運んでいた
テーブルにはオムライスが二つ並びそれぞれ俺と徹平の前に置かれ良い香りを漂わせてくる
「と、兎に角だ!淳何があったんだよ!」
「何でキレんだよ。別に大したことないから気にしないで」
「大したことなくてもダチには隠し事無し…だろ!?」
ダチには隠し事無し…。何だが嬉しいな
でももし昨日の事を言ったら引かれないか?どんだけ腰抜けなんだって、男が男に狙われるんだって
「徹平でも引くぞ?」
「俺はそんな男じゃねえ!」
「そっかぁ…。じゃあ言うよ」
真剣な目に遂に俺は折れた
まあコイツなら良いだなんて思ってたりもしてたしな
「俺昨日知らない男に襲われた」
「ぶふーー!」
「うわ!きったねええ!」
徹平が口に含んでいた水が思いきり俺に向けて放たれた
「わりい!!」
「いいよ」
一生懸命タオルで水を拭くが逆に擦り過ぎて痛い
「っで、大丈夫だったのか!?」
「まぁな。誰か解らないけど助けてもらったんだ」
「…誰か?顔は?」
「解らなかった、襲ってきた男に思いっきり抱き着かれて苦しくなって…気絶した」
「気絶したあ!?」
また大きな声を出したせいで食堂に居る生徒達がザワつきチラチラと様子を伺ってくるのが痛感する
「気絶したってお前!その後どなった!?おい!淳…!」
「…はぁ〜」
さてどうやって徹平を落ち着かせようか……
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