マフィアの休日
昼食は例の場所にて!!(甘)
「では、起立、礼」
「有難う御座いましたー」
ある、晴れた昼下がりの並中。
生徒が一番集中力をなくす時間帯、『4時間目』が
無機質なチャイムの音によって終了させられた。
毎日繰り返すお決まりの挨拶を終えると、先ほどまでみな静かにしていた生徒たちが暴れだす。
「お昼どうする?」
「えええええまじ」
「きゃはは」
楽しそうな笑い声がどのクラスからも聞こえてくる中で、岸春璃だけは違った。
「じゃ、」
隣で騒いでいる友人たちに別れを告げると春璃
は決まって、猛ダッシュでどこかに駆けて行く週間のようなものが出来ていた。
学校は入ってからずっとこうなのではない。
ある日突然、昼休みはどっかに消えるようになったので最初は友人たちに気にされていたが、
「秘密だよー」
の一点張りを繰り返すだけなので、ついには諦められていた。
「しっかし、春璃いつも何処行ってるんだろうね??」
「さぁ〜?」
友人たちが首をひねってる間にも、春璃は一秒でも早く目的の場所に行こうと、全速力で廊下を駆け抜けていた。
「ハァハァハァ」
並中の裏庭に来た春璃は、ターボ全開だった足を止めると、顔色1つ変えなかったのに、息切れが酷くなった。
「…いない」
左右を確認すると、少女はスカートである事を気にせずに木を軽やかによじ登った。
「ちっす雲雀」
「ああ、君か…また僕の勝ちだね」
そこには、並中最凶の風紀委員長、雲雀恭弥がいた。
「ちぇ」
舌打ちをすると、春璃は素直に弁当を出した。
雲雀は受け取ると、美味しそうにほおばった。
春璃が昼休みに消える理由、それは簡単なものだった。
雲雀と二人で弁当を食べるため。
それも、二人で見つけた秘密の場所で
え、なぜ秘密の場所か?
「雲雀お腹すいた」
頬を膨らませて怒る
「煩い」
そう言って、雲雀は春璃の襟首をつかむと
小さくキスをする。
「これで満足?」
気づくと、春璃の口の中には先程まで雲雀がほおばっていた、ハンバーグがあった。
「バカ。」
だって、いちゃいちゃしたいもの
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