天使の力 ヴァリアー編1 「ちっ…」 秀麗な顔を歪め唇を真一文字に結びながら青年は人気の無い真夜中の埠頭の迷路の角を曲がる。しかし行き止まりであることを知ると小さく舌打ちをして前に向き直る 「」 「」 イタリア語で青年を囲んだ男たち数十人の言葉に青年は不適に微笑む 「」 青年は懐に手を入れて小さな黒光りのする小箱を出す 「…ゴクッ」 周囲にいる男たちが息を飲みながら一人の男が慎重に一歩二歩と前に進む カツン カツン 「ほらよ。」 「「「「「?!」」」」」」 距離が縮まったその矢先に青年は持っていた箱を力一杯上空へ放った 「」 「」 「」 大慌てで上を見上げる男たちに青年は懐からだした煙り玉を転がす プシュゥゥゥゥゥ 「」 「」 混乱する男たちを余所に青年は濃く立ちこめる煙など気にもせずにそのままその場所を去る カツン カツン カツン 「!」 しばらく走った後に青年は後ろを振り返り追っ手がいないことを確認すると繁華街に入っていき小さなカフェに入る 「お疲れ様孝夜」 彼が店に入ると先に入っていた茶髪の黒コートの若者がエスプレッソを啜りながら笑顔で労う 「で、諒太郎…解析は済んだのかー?あれ、意外と手強かったぞ」 孝夜と呼ばれた黒服の青年は大きく息を吐いて諒太郎と呼ばれた青年の向かいに腰を下ろしながら問い返せば諒太郎は笑んだ 「安心して♪ただ、少しばかり僕らに厄介なものが出てきたよ」 「…とりあえず親方に成功の報告しとく」 愛想良くやってきた店員にココアを頼むと孝夜はネクタイを緩めてからメールを打はじめた ダミーB、追い詰められて仕方なく渡す―任務完了したぞ 「これから春璃の方が忙しくなりそうだね」 「確かに」 二人は苦笑いを浮かべた ■□■□ 並森町 春璃・岸はケータイのディスプレイを眺めながら秀麗な顔をしかめた 「…うーん」 「どうかした?」 彼女を訝しんだのは山本武と笹川京子。前を歩く沢田綱吉、獄寺隼人、三浦ハルは気付かなかったらしくガヤガヤ騒いでいる 「なんでもないです」 あいまいに微笑み返す春璃に京子は食いさがろうとするも山本に宥められ渋々といった様子で諦めた 「諒太郎か…?」 京子が前の会話に加わったのを見て山本は心配そうな顔をする 「諒太郎ならまたあなたに会いたいって言ったわよ…それにしても偉いにぎやかね」ふと話を逸らせば気付いたのか山本もそれにのる 「ま、いんじゃね♪遊のは人数多いほうが楽しい」楽しそうに笑う。 「(ま、大丈夫だよね。ボンゴレ…)」 春璃達は今、並森町の駅の近くに来ていた。本来なら今日から夏休み明けの学校が始まるはずであったが獄寺の提案によりサボることになり、山本が偶然会った京子達も巻き込み大所帯になったのであった 「つなつな!!目玉ぁ―!!」 「やめてくださいランボ様ぁぁ!!」 「あ、ランボ君面白ーい♪」「うるせーぞアホ牛」 「アホ女!!」 「はひっ?!」 「にぎやかね…」 「だな♪」 案の定…というか…大変賑やかに遊び始めたが春璃はテラスで山本とお茶していた。 「…気にするな」 ふと、山本は周囲の奇異な物を見るような視線に気が沈んでる春璃に笑いかける 「あんな賑やかだと気にならないわ」 山本の言葉の真意を理解した春璃は苦笑し山本も笑って返す 「ところで…」 ずごぉぉぉぉぉぉぉん!!!!!!!!!!!!!!! 昼間の町中に轟音が響く ■□■□ いやはや始まりました♪ ヴァリアー編(´∀`) つぎ来る人は予想どおりに行きますよえぇ― 日常編と違って流れも決めてるし書きためもあるんで安心安心(*´∇`) ま、ゆるりとUPしてきます BGMに真夜中のオーケストラ聞きながら [*indietro][prossimo #] [戻る] |