天使の力 始まり ドォーーン 南イタリアのとある山奥―湖畔の横に立つ中世の古城風の建物の中から煙が上がった。 「行ったぞ!!」 「回り込んでつぶせ!」 「逃がすな!」 黒いスーツで身を包んだ見る人が見ればわかる殺気を醸し出した男たちが各々武器を手に駆け回っていた。 男たちが追い回してるのは一人の少女であった。 深海のような蒼い髪をなびかせながら少女は男たちをものともせずに進んでいた 「春璃大丈夫か?」 突如として耳に付けたインカムに仲間の一人のラル・ミルチの声が入る。 「3分の2くらいの兵がこっちきてるっぽいよ〜雑魚ばっかだからみんな黒い炎が怖くて近寄ってこないよ」追い回してるのに男たちは決して攻撃をしてこなかった。 それには理由がある。 1つは少女の名を春璃・岸といい、触れたものを破壊する黒い死ぬ気の炎を扱える一族岸だからだ。 2つ目は春璃は闇猫の名で知られる有名な忍だからである。 「ん…まぁ、間抜けなボスでもおまえの相手は雑魚がどんなにいてもたりないことくらいわかってんだろ」 「そんなに有能じゃないよ」苦笑いを返しつつ向かう先にいる男を薙ぎ倒す 「ところで、作戦は順調?」 「ん、ああ…ここのファミリーのボスの部屋のパソコンにご丁寧に色々ロックかけておいてあったが、武器を売った敵ファミリーの情報をおまえの部下が3秒で解除し手に入れた。」 「蓮太使えたなら良かったよ〜」 「戦闘はからっきしだが…知識量、機械に強いのはすごいな…まだ18だろう」 「あたしの自慢の部下だからね〜」 春璃は満足気に小さく微笑んだ。 「じゃあ、合流地点Bで」 「了解」 春璃は無線を切ると振り返った。 春璃は行き止まりに追い込まれ、肩にはバズーカやらごつい武器を持った男たちが並ぶ。 「さぁーてと…こいつら片付けようか」 春璃は紅花と立夏を取出し地を蹴った。 ■□■□ 「なんで指揮官が戦線に行くんですか?」 所変わって、イタリアの北部にある門外顧問チームの屋敷の大広間。 「親方様…」 「バジル…なんか言ったら殺されるよ」 春璃とバジルの少し離れた場所にめちゃくちゃ笑顔のオレガノとラルに机を挟んだ反対側に家光が座っていた。 それもこれも、原因は家光にあった。今日の作戦は単純でラル、オレガノ、春璃、バジルの四人が侵入しボンゴレの内部情報と武器を流した敵マフィアの情報を奪うものだったが、四人が分断されたのを見たら家光が加勢に来たのだった。 ボンゴレのNo.2とあれば顔も売れてるわけで…侵入した者の面が割れるし、合同戦線を張ってた岸家に迷惑が掛かったのは言うまでもない…故に2人は怒っていた。 「いや…すまん!!」 「鷯太さんに岸家に「いや、結果オーライって上がいってたよ」」 「鷯太殿?!」 突如バジルの隣に現れた鷯太にバジルは驚いたようだ 「鷯太報告さんきゅ」 比較的小柄な彼の頭を撫でてやると嬉しそうに目を細めた。 「ま。あんまり家光さんを責めないでください」 鷯太の説得により解放された家光は苦笑いして寄ってきた。 「親方様お疲れです」 「毎度かばえませんよ」 苦笑いする春璃と鷯太に家光も苦笑した 「俺もたまには前線に立ちたいんだ」 「「オレガノ!!ラル!!反省してないよ!!親方様!!!!」」 「裏切ったなぁぁ!!」 全力で逃げる家光に2人は再び苦笑した。 「そーだ隊長〜零之姉が書類処理困ってたっす」 「あー…あたしも帰ろうかな今日は…」 「あと、リボーンさんから手紙もあるらしいっす」 「帰る!!!!」 「あの方は平気で手紙に爆弾仕込みますからね」 春璃は短く実家に帰省することを決め春璃は部屋から荷物を取り出した。 [prossimo #] [戻る] |