[携帯モード] [URL送信]

頼まれ物
遊馬と相互記念の正臣夢







「片思いが終わった日」











「はぁ?」

「いやぁ、マジだよ♪」

「なぜあたしに…」

「本人の希望♪」

「……………。」

「やだな〜蛍ちゃん☆怖い顔しない☆彡可愛い顔が台無しだよ」




池袋某所にある、落ち着いた雰囲気のあるカフェで一人の男女が向き合っていた。



「…なんで人の失恋を穿り返すかなぁ〜」



ほっそりとした長身を黒いコートで覆った、一見優男に艶のある黒髪を肩までのばし、快活そうなイメージの少女



傍から見ればカップルにも見える2人組だが、2人の間に流れる空気はカップルには程遠いものだった



男の名は折原臨也
池袋界隈では名の通った情報屋で、彼の持つ性格無比な情報を買いに来るのは、ヤクザから有名薬品会社幹部まで幅広く、池袋で関わってはいけない人として知られている。



一方、少女とて折原臨也程ではないが、有名な存在。
渡辺蛍
まだ、高校生でありながら元黄巾賊の幹部にして池袋で喧嘩を仕掛けてはいけない相手だ。彼女はもともと静雄と仲が良く、彼と一緒にいる=絡まれる→ド迫力の殺戮を生で見る&静雄の攻撃を避けなきゃ死ぬ+地の喧嘩の強さ=怖れられるようになったという半分くらい不可抗力により蛍は強くなったのだ。



「失恋とは決まってないでしょ〜♪」
臨也は手元のアイスティーを掻き混ぜながら笑む





「失恋」とは、彼女の親友兼黄巾賊の将軍こと紀田正臣だ。



蛍は昔から恋い焦がれていた。軽いと自他共に認める正臣が周囲も認めるくらい真剣に告白はしてなかったが、恋人同士のようになってた…しかし「三ヶ島沙樹」が現れ状況は変わった。



沙樹は彼女になった。




だが、彼女が現われてから黄巾賊も大きく変化する

ブルースクウェアとの抗争の末の黄巾賊の崩壊に正臣の将軍を退くこと。



抗争の終幕と共に黄巾賊を蛍は去った。当然、それから正臣とは連絡を取ってはいない。




「で、捨てた女に何のよう?」
昔を思い出して小さく笑うと臨也に嫌味たっぷりに微笑む



「じゃあ伝えるよ。「明日池袋のあの場所で待つ。大事なことを伝えたい」」


「………何よ、呼び付けるの…行かないわよ」


「ま、どうするかは君の自由」












「未練断ち切れるといーね」
臨也は最後にそう言ってから右手をあげ去っていった。












■□■□


「はぁ」




結局、私は次の日小さな隠れ家にいた。

正臣とは会わないことにした。あの場所で待つとは…おそらく、初めて会った黄巾賊の作戦室という空きビル。彼は重要な話は全部ここでする。




「未練…か」



当たり前だ。


だって


「何年片思い【してる】と思ってる……」









「へぇ…【過去形】でなく【現在進行形】なんだ」



「っ!!!!」
不覚…独り言のつもりで呟いた言葉が聞かれてた





「へぇ、蛍が俺の前を避けたのにはそんな理由が」



「!!!!!!!」
聞き慣れた、でも聞きたくなかった声がする


「なんでここに?正臣が…」彼はあたしのすぐ後ろに相変わらずの軽そうな笑顔を浮かべて立っていた。



「何年来の付き合いだと思ってんの?おまえの行動ぐらい将軍はお見通しさ☆」楽しそうに笑う紀田正臣にあたしもムキになる


「たかが二年でしょ」


「じゃあ、もっと正確に言ってやるよ」



「???」



「好きなこの行動パターンくらいわかんなくちゃ♪」

「ッ////」
嗚呼、私は馬鹿だ。
彼に彼女がいるのを知ってるくせに喜んでる自分がいる。



「沙樹ちゃん泣かすな…それに彼女いる奴の浮気相手になる程アホじゃないの…」




彼はため息をつくと私にポッケに入ったケータイを見せた。






「写真…」
紗樹と映っていた写真ではなくそこには、黄色いバンダナで満面の笑みを浮かべる正臣がいた。



「サキにさ無理するなって」

「え?」


「あなたはあたしといるときより蛍ちゃんといるときの方が綺麗な笑顔なんだよ」


「!!!」

「それに、やっぱり俺さおまえといたいんだ」


「…」
あたしは思いっきり抱き締められる



「蛍?」
うつむいているあたしの顔を見ようとする正臣にあたしは…




「?!!////」
キスをした。
不意討ちのためか真っ赤になる彼にあたしは笑った




「ナンパ師がそんなんじゃ笑えるね…」


「るっせー」


「それから…迎えが遅いよ」力一杯抱き締めたら抱き締め返してくれた




あたしの片思いがおわる
















■■■懺悔室


ずいぶん昔に上げてたけどUpしてなかった…

それから、いろいろごめんうん…ちょっと死にたいな

いまさらだが、相互サンクス

[*前へ][次へ#]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!