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慈愛の魔女(縁寿夢)
「えんじぇさまぁ!!!」


悪夢を見た。
マリアお姉ちゃんが…お父さんが…お母さんが…………………戦人お兄ちゃんが

私の名前を呼びながら消える夢

































十二年前のあの日から、夢を見れば悪夢しかなかった。学院に来てからとて同じであった。マリアお姉ちゃんに魔法を教わるようになってから、だいぶなくなったが…やはり、風邪を引いてマリアお姉ちゃんとの修行を初めてから影を潜めてたがぶり返したらしい。







そういえば私は修行のあと木陰で寝たんだ。
「あっ」

しかし、自分がいたのは自室のベットの上で、小さなテーブルには紅茶が置かれていた。




いったい誰が…?教師も含めてこんなことをする人には思い当たる節はない



「」

「?」
思考に耽っていると何処からか重みが降ってきた



「えんじぇさまぁ!!!!!」



それは、見間違えようのない…露出の多い服に茶色いサラサラの髪





「マモン!!どうしてここにいんの?!」

煉獄の七姉妹が五女、強欲のマモンであった。たしか…いったん部屋にもどるから召喚を解いたはず…




「だってーだってーえんじぇさまが!!あのクソ女たちに見つかりそうになってぇ」鼻水やら涙やらいろんなものでぐちゃぐちゃな彼女の顔では何が何だか分からず困っていると新たな人影が現れた





「はいはい…わたしが説明するから…おまえは鼻をかめ…」
現れたのは煉獄の七姉妹が四女、怠惰のベルフェゴール



「はあぃ、お姉様」
渋々といった様子で離れるマモンを横目にベルフェゴールは口を開いた



「縁寿様…我らがここにいるのは我が友が魔力を分けてくれてるからです」


「友?」
魔女だろうか?家具だろうか?魔女見習いだろうか?誰だろうかと思考していれば部屋の扉が開いた



「ごめんね縁寿ちゃん…ベルゼのバカを押さえ込むのに時間かかってサタンとアスモに助けてもらってさ…」
入ってきたのはルチーアの制服着た少女。私に親しげに話し掛けてくるなんて…驚きだが…今、彼女はたしかにベルゼ、サタン、アスモと言った…七姉妹を知っているんだろうか?




私が唖然としてればマリアお姉ちゃんにさくたろうまで現れる


「うーかのん!!久しぶり!!!」

「うりゅー!!」


「おー!!マリアにさくたろう久しぶり!!…ってさくたろう逃げて!!七姉妹いるよ」

「うわぁぁあ」
再会を喜びあう二人をよそにマモンがさくたろうに飛び掛かりベルフェゴールは苦笑する



「あの…えっと…誰?」
私が指差せばマリアお姉ちゃんが頷いた


「そういえば紹介してなかったね」
そう言って少女に自己紹介を促した。



「初めまして右代宮縁寿ちゃん。あたしは…須磨寺かのんあなたの友達になりたくて来たの」




「須磨寺!!!」
自分を否、自分の金を手に入れようと血眼な霧江の実家の名前を聞き体が強ばるのを感じた




「やっぱ名乗らないほうが良かったかな?かのんだけで〜」
かのんと呼ばれた少女はまるで私の反応は予想の範囲内であるかのように言えば説明が足りないと言ってベルフェゴールが補足してくれた




「怖がらなくても平気です縁寿様…かのんは須磨寺からとうの昔に縁を切られてますよ。幼い頃から須磨寺の祖父のとこにいましたから」



「えっ…かのんってまさか」
私の中にある幸せな記憶の1ページが私に告げる



「思い出した?縁ちゃんかのん姉だよ」
幼い頃、母に連れられていった祖父の家に住むいとこで私を可愛がってくれた二つ上の姉であった。



「縁ちゃん」
優しい瞳に祖父に似た大らかな性格。彼女は何一つ変わってなかった


「辛かったね。もう、大丈夫だから」
ただ茫然とする私をかのん姉はやさしく抱き締めてくれた。すると枯れたはずの涙があふれてきた



「かのん姉…」

「んー?」

「ありがとう」
久しぶりにひとしきり泣けば心が軽くなった気がする礼を言えばどういたしましてとほほえまれる



「でもかのん姉がどうしてここへ?それにマモン達を呼べるのは?」
溢れてきた疑問にはマリアお姉ちゃんが答えてくれた


「かのんには魔法の才能が豊でね偶然がきっかけでベルフェゴールと会ってよく七姉妹とか他のみんなを呼んで遊んでたの。あの事件をきっかけに本格的に魔法を学んでね」



「今じゃ“慈愛”の魔女になったんです。かのんは私達七姉妹に目を掛けてくれて彼女の力で私たち自由に現われることが出来るんです…つまり今私たちはかのんの力で現われてるんです」
ベルフェが言葉をつなぐ
かのんがベルフェにありがとうと笑いさらに言葉を引き継いだ


「縁寿ちゃん…辛いこともいっぱいあったけど…これからはあたしたちが助けるから」
かのん姉が手を振れば部屋中に彼女の家具が現れる



「かのん姉…」
再び溢れてきた涙を堪えずに姉の胸に飛び込めば彼女は笑って受け入れてくれた














(これは…ワルギリア) (これは私が見つけてきました右代宮縁寿が全てを忘れることで猫箱に蓋をすることで…幸せを。手にするカケラです) (慈愛の魔女って…) (かのんがそうすることであなたを助けてくれる…このカケラのあなたは幸せなんですかね?)(「このカケラの右代宮縁寿は幸せでいる」)










■□■


ep8が不満すぎて描いた代物

縁寿と戦人の幸せ願ってます(>_<)

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