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Novel
4


まさかの展開に目を見開いた俺。
遊んで行け、と言われたものの俺はコイツとは絶対に勝負したくない。

何故かって?
そりゃコイツが堅気じゃないってこともあるけど、こういう読めない奴ってやり難いどころの話じゃない。
下手したらこっちが食われかねないからだ。

色々とデメリットを考えたのち、俺は丁重にお断りしようと口を開いた。だが


「50万」

「は、」


ジャラジャラとチップが出され、その金額は本当に50万。
いとも簡単に出してきたその金額に、俺達3人そろってゴクッと喉を鳴らした。
50万、俺たちが先程撒き返した金額。
それをコイツはこんなにも簡単に出せるのか、と思うと少しだけ苛ついた。


「で?勝負するのか?」


コツコツと長い指でテーブルを叩き、色気のある口元を挑発的に歪めた男。
後ろの二人は、50万という金額にもう釘付けだ。
でも、俺はまだその挑発に乗る気はない。
それに気付いたのか、男もふうっと気だるげなため息を吐くと、更にチップを上げてきた。


「ひ、100万・・・・?!」

「50万じゃ物足らなそうな面してたからな」


100万、要するに先程の2倍の額。
さしもの俺も、その金額に欲望がぐらついた。


「アキ!ここは絶対受けた方がいいって」

「こんな太っ腹な奴もう2度とお目にかかれないぜ?」

「うっ・・・・」


そして背後から囁く二人の悪魔、もとい友人達。
結果、俺は先程の酒をグイーッと勢いよくあおり、タンッと小気味よくテーブルにたたきつけた。


「その勝負、乗ってやろうじゃん」


その言葉に、サングラス越しの男の目がスゥと細められたが、俺はそれを気付くことはできなかった。




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