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Starry☆Sky 
宮地→月子  【Fusion?】



【Fusion?】


「宮地くん」
食堂でみんなで食べているところなのだろう…悲しいことに僕はどれが宮地くんなのか、すぐ分かる。
「またそんなにクリームたっぷりの…」
いつも見慣れた料理の上には、マッチするのか美味いのかが全く分からない大量のクリーム。まあ本人が好きと言っているから口出しはしないようにはしているが、周りからはイマイチな反応である。また、宮地くん本人がクリームの大量摂取により病気になってしまわれても困りものだ。その事を言っても聞く耳を持たず、の毎日であった。
「ほら部長がまたクリームか、みたいなことを言いたそうな顔してますよ」
前髪が特徴的すぎる後輩にも言われる始末だ。
「部長もどうです?」
「遠慮します。」
「じゃあ僕が…」
「犬飼にならあげないぞ…もぐもぐ」
またクリームまみれの食事を食べ始める。

みんなが食べることに熱中し、会話が途切れる。
その沈黙を破ったのは木ノ瀬くんだった。
「ねぇ先輩、クリームと夜久先輩どっちの方が好きですか?」
…もぐもぐ
木ノ瀬くんのほうを一瞬みてから、また目線をクリームに落とす。
「先輩、答えてくださいよ…シカトしないでくださいよー」
そう言って人差し指でつんつん、と宮地くんの腕を叩く。
まわりで食事をしていた連中もその質問の答えを気にしているようだ。
「どっちも」
あーおまえは幸せものだ、と犬飼くんが言い残して味噌汁のおかわりに向かった。
「で、どっちのほうが好きなんですか?」
「む…だからどっちもと言ってるだろ」
意見を変えない宮地くん。その言葉を待ってましたとばかりに木ノ瀬くんが
「クリームのほうが大切なんですかー、先輩のこととっちゃおうか、なぁー?」
そう言った。するとすこしだけ赤い顔で
「夜久もクリームも好きなんだ!木ノ瀬に譲りは絶対しない!」
すこししゅんとした顔を見せた木ノ瀬くんであったが、いきなり新しい良い意見を見つけたようで、いきなり腕を鳴らした。
「じゃあ夜久先輩にクリームつけてみればいいんじゃないですか」
一瞬宮地くんの視線が揺れた。
同じくらい好きなものを組み合わせれば最強だ、と木ノ瀬くんの視線が訴える。
するとそれもいい案だと言わんばかりにこう言った。
「…考えておく」
そして食べ終わった食器を片付けて、どこかへ向かった。




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20091027





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あきゅろす。
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