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Starry☆Sky 
梓×月子   【素直じゃないけど】



この素敵な時間が、ずっと続けばいいのに。


【素直じゃないけど】

私の所属している(もちろん彼も所属している)弓道部は、集中力が勝負である。
だから、部活中はお喋り禁止。
集中力を下げるようなことは強く部長を始め、部員からも注意されてしまう。
だから放課後部活の時間が終わってからが私たちの時間。
「先輩、先輩!」
そう何回呼ばなくても私はわかるのに、先輩、先輩とまだ呼びまくっている。
「先輩、僕、実は昨日…」
始まるのはそんな他愛のない話。
それだけのこと、と言えばそれまでのことであるが、今の私にとってはその時間がとても有意義で至福の時間であると思っている。
正直くだらない話をされても梓くんが言ってると思うと何故だか面白く感じたり、梓くんだからという所詮単純な理由で見える世界が変化してくるのである。


「お疲れ様でしたー!」
本日の練習は終わり。弓の手入れでもしようか、と考えているといつものように梓くんがやってきた。
「先輩、いま一番欲しいものって何ですか?」
いきなり訊かれたので戸惑ってしまう。
いま一番欲しいもの…何だろう。
「うーん…」
本当に迷うのだ。梓くんがいればそれでいい、なんていう少女マンガじみたことは私には不向きであろう。

「あはははっ」
梓くんが笑ってきた。
「な、なんで笑うのよ!」
顔が赤くなっていくのがわかる。
「いまの先輩の顔、宮地先輩みたいでした」
眉間に皺がよっている、ということか。
その言葉を聞いたら自然に頬が緩む。

「そんなことない!」
私も、釣られて笑った。


「梓くんがいれば十分、とか考えてました?」
梓くんがいれば十分、というところだけ声を変えて私の喋り口調にした。
それにしても、こう…ストレートに言いたいことを当てられたときはどんな対応をするべきなのだろうか。
正しい反応が分からずあたふたしてしまう。
「先輩、正解…ですよね?」
そう言って梓くんがぎゅっと私を抱きしめる。ああ、苦しいくらいに。
私も大好きだよって言いたいけど恥ずかしくて伝えられないから、抱きしめかえす。
「先輩、僕のこと大好きですね」
「うん」
抱きかえす力をもっと強くして答える。
夕焼けが、見たことのないほどに綺麗だった。



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20091023






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あきゅろす。
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