誕生日こねた ツバサはぴば! 予定よりスムーズに進まず、ちらっと時計に目をやる。 12時を周るか、周らないかというところだ。 もう何時間、パソコンとの睨み合いを続けただろう・・・。 「翼様、お電話で御座います。」 永田が微笑を浮かべながらそう言ったので、悪い商談ではないと感知する。 それにしても、こんな夜中に電話を掛けてくるとは如何なものだろうか。 「もしもし」 「にゃー!」 聞こえてくるのは、猫の声。 猫が自分の意思で電話を掛けてくるのはまずないとすると・・・そうだ。 思い当たるのは、一人しかいない。 「What?どうかしたか、一。」 「バレちゃったか・・・」 本当に落胆しているような声。 すると、背後から猫の合唱が始まる。 翼は気付かなかったであろうが、猫たちが何を伝えようと合唱しているのか、 一はちゃんと理解した。 「どうかしたか、と訊いているんだ」 深夜に片付けなければいけない仕事を一生懸命やっているところに時間の無駄のような電話を掛けられたのだから 苛立ちを隠せないのも、仕方ない。 それに実際、一からの電話は下らない報告、雑談が多いのも事実だ。 電話してくることが嫌なのではなく、むしろ一の声が聞けて嬉しいのではあるが・・・。 ――「翼様、少し野暮用が出来ましたので外出して参ります」 そう言っていま、永田は出かけた。 「翼、誕生日おめでとう」 「っ、」 唖然とした。 忙しくて自分の誕生日なんて忘れてしまっていた。 「もう一度言うか。翼、誕生日おめでとう。っお、おい、反応してくれよ」 「あ・・・有り難い。今年も、祝いの言葉を最初に言ってくれたのは一だ。」 「そっか、なら良かった。」 その声が聞こえてすぐ、インターホンが鳴る。 すぐさまドアを開けると一の声。 「今日、いまだけでも仕事のことは忘れなよ」 「そ、そうだな。」 「翼、誕生日プレゼントは何だと思う?」 モノがあるならそれはっもちろん嬉しいが、それ以上に欲しいモノが目の前にあるから。 一の質問に答えず、キスを落としてゆっくり後ろに押し倒す。 「・・・その気で、来てるんだろ?」 -- 7/14 ツバサ、誕生日おめでとう(^^)/ それにしても更新遅れてごめんなさい。 心の中は愛が溢れてました(やめろ) それにしてもツバサは電話に出るときなんていうんだろう。 もすもす? って言ってるんだろうな(大破) [次へ#] |