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那智×慧   【七夕の憂鬱】



【七夕の憂鬱】



「あ、雨だなあ」
生憎だが今日は急いでいたせいで傘を持ってくるのを忘れてしまっていた。
雨宿りを兼ねて、少し近くのショッピングモールに行くことにした。


梅雨独特のすっきりしない空気に、清々しさを全く感じられない空。

ちょっと勉強でもするか、だけど寄り道してる所を他の生徒に見られたら面倒なことになるなあ、と考えていた時。
「あ、慧だー!」
無邪気な那智が目の前に。


「ただ雨だったから雨宿りしてるだけだ」
「別に慧を責めにきたんじゃないよー?」
「じゃあ、何で那智もここにいるんだ?」
「今日は特別な日だから…」


「特別な日?なんかあるのか?」
いきなり、空を見上げる那智。
まだ空は晴れないまま。

「こんな天気だけど、一年で今日だけしか逢えないんだよ。一年も好きな人を見ることが出来ないなんて…僕には想像できないくらい。だけど、一年に一度だけしか逢えないからその人の事をもっと大切にすることが出来るのかな。」

そうだ、今日は七夕だ。
「そうかもしれないな。二人が会うことは確かに少ないけど、互いに互いを信頼し…想い合ってるんだろうな。」





「僕がいないと寂しいか、那智?」
「寂しいー、かも。いつも一緒にいたいけどね」
そういって頬を擦り付けてくる那智。
んっ…ここは屋外だ。
他の生徒に見られたら重ねて面倒なことになりそうだ。
「那智、続きは家で。」



雨は止んで、綺麗な夕焼け。
織姫さんと彦星さんにとって、素敵な1日になりましたか?






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20090707


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あきゅろす。
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