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学校に着くと、既に沢山の生徒でクラス発表の紙が張り出されている掲示板は溢れていた。遅刻は免れたものの、もっと早く来れば良かった、と後悔の念が襲ってくる。この人込みの中を通って下駄箱へと足を運ばなくてはいけないのだ。見る必要のないものをわざわざ見に行くなんて馬鹿げていると思ったので、そのまま、人の波に流されながらも下駄箱に辿り着き、新しい教室へ足を運んだ。今年のクラスも、1組だ。

教室に着くと、何人かの生徒が席について朝から(しかも進学年初日に!)いそいそと机の上の参考書と問題集を交互に見ては難しい顔をしていた。何が楽しくてそんなに勉強がしたいのだろう?確かに、ここは進学率も学力もトップクラスの私立高校なのだけど、そんなに勉強漬けであったら頭がおかしくなるのではないか、と時々思う。だけど、それにも訳があるはずだ、と頭の中で勝手に理解をした振りをして、今も過ごしている。
違う違う。俺が教室に入って、一番に探したい奴はこんな真面目じゃない(おっと失礼)。ぐるりと教室を見回して探そうとしたのだが、そんなことをしなくても奴は見つかった。見つかった、と言うよりは見つけられたの表現に近いのだけれど。
「よお、我が親友殿」
頭上から声がすると思ったら、探し人、その人であった。相変わらずでかい図体で俺を見下してきやがる。全く嫌な奴だ。
そいつがてのひらを広げて見せたので、
「よっ。今年度もよろしく。我が親友殿」
そう言って、俺はハイタッチを決め込んでやった。



* to be continue *


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