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ロイは寮生活。俺はアパート生活。つまり、一緒に帰るということは全くと言っていいほど、ない。本当は一緒に帰りたいというのが本音なのだけど、なんだか俺から言うのも恥ずかしかったり、わがままだと思われたりしたくないから、まだ名にも言えずにいる。
下校時間のチャイムがなった。今日も一日ご苦労様、と自分に言い聞かせるように、大きく息を吸って吐き出した。部活は俺もロイもやっていないので、玄関までは一緒にロイと帰っている(と、言えるのかは分からないけど)。
「エド、帰るぞ」
後ろから声がして、「おう」と返事を返すと、教室を出た。玄関までの間、階段を下りた辺りでちらりと彼女――シンシア嬢を見たような気がした(そういえば、今朝、俺に冷ややかな視線が集まっているときに、彼女は笑っていたっけ?)。
玄関を出て、ロイにばいばいしようと思ったのに、何故かロイは俺の後ろを着いてくる。あれ、ロイって寮出たんだっけ?いや、そんなはずない。
「何で着いて来るんだよ」
素直に、正直に。
「お前、本当によく『なんで』って聞くよな」
そういえばそうかも。何も気にしてなかったけど、よく言ってるのかも。「まぁ、いいや」とロイは言って続けた。
「一緒に帰りたいよなーって思って」
はい?俺、口に出したっけ?一緒に帰りたいって。言った覚えは全くない。
「何だよ、その顔。俺と帰りたくなかった訳?」
俺はその自信はどこから来るのかを知りたい、本音だ。だけど嬉しい。一緒に帰れるだけで(しかも、帰る前から)、こんなにも幸せになれるなんて思ってもいなかった。
「ばかじゃねぇの?」
帰りたいに決まってるだろ?
「仕方ないから帰ってやるよ」
だけど、帰りたいだなんて誰が素直に言ってやるか!仕方ないからだ、そう!





* To be continue *






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あきゅろす。
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