[通常モード] [URL送信]

メイン小説


「ごめんね、ヒカリちゃん」
「……」



タケル君の言葉が一瞬頭の中に入ってこなくて、その言葉を理解するのに一歩遅れた。
それぐらいに太一に知られたショックは大きかった。

別にやましいことなんてしていない。
だけど、きっと何も知らない太一には“そういう風”に見えているかも。

「タケル君、お願い」
「…何?」
「太一のところ連れてって、誤解されたくないよ」
「ヒカリちゃん…わかったよ、探そうか」

路地裏を出ると、馴染み無い街並みが広がっていた。
道が分からない私はタケル君の一歩後ろをゆっくり歩く。

早く誤解を解きたい気持ちもあるけど、やっぱり軽蔑される恐怖の方が強い。


「あ」

突然目の前のタケル君が足を止めた。

「どうしたの?」

タケル君が見つめる先を私も辿ってみると、“やっぱり”太一とヤマトさんの姿があった。
心の準備はしていたけど、こんなにも早く見つけられるとは思わなかった。

───世界って狭いなぁ…。
と、そんなことを思っていると、あっちにいる太一とヤマトさんも私達のことに気付いたらしく、こっちに向かって走ってくる姿が見えた。


〔*back〕〔next#〕
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!