メイン小説 ヒカリ視点 「ヒカリちゃん!聞いてよ!!」 ある月曜日── いつも通り学校に行って、いつも通り教室に入ると、いつも通りじゃないタケル君がいた。 「…とりあえず、おはよう」 「あ、おはよう。って、それよりさ…」 「ちょっと待って!ランドセル置いてから聞くから」 「あぁ、そうだよね。ごめんね」 …どうやらタケル君はかなりご立腹みたい。 私がランドセルを自分の机に置いてくる間も、タケル君はイライラした顔をしながらうずうずした様子で早く話したがっていた。 「タケル君、かなり怒ってるみたいだけど、どうかしたの?」 「そうなんだよ!実は兄さんがね!…」 興奮したタケル君の話をまとめるとこうらしい。 一昨日タケル君はヤマトさんと会う約束をしていて、タケル君はヤマトさんの家へと向かった。 けれど家についたらヤマトさんは居なくて、仕方がなくタケル君は自分家に帰り、昨日ヤマトさんの家に電話して一昨日の約束はどうしたんだ、と聞くと…… なんと、約束を忘れていたらしい。 それは怒るなぁ…と思って頷きながら顔をタケル君の方に向けると、タケル君は少しだけ涙ぐんでいた。 〔*back〕〔next#〕 [戻る] |