メイン小説 ヒカリ視点 「ヒカリちゃん」 ──学校の放課後、 ちょうど算数の教科書をランドセルに入れようとした所で、タケル君に声を掛けられた。 「なに?」 「いや、特に用事は無いんだけどさ…ヒカリちゃん、雰囲気変わったよね」 「…えー、そうかな?」 …鋭い、タケル君。 「月曜日から何か幸せオーラが出てるもん、土日にでも良い事あったの?」 笑いながらさりげなく事情を探ってるタケル君と私のやり取りは、まるで刑務所での楽しい事情聴取だ。 何故彼はここまで鋭いんだろう…しかも的確に。 「良い事あったけど…そんな、幸せオーラなんか出てる?」 「うん、顔がふにゃってなる時があるんだよ?」 「え」 そこまで私は幸せオーラを出していたの…? ふにゃっだよ!?ふにゃっ!!! 「ねぇ、太一さんの事でしょう?」 「!……え!?何で、エスパー?」 「ううん、兄さんから聞いたんだ!」 兄さん、…ヤマトさんだよね?って事は、 「お兄ちゃんが言ったの!?」 「うん、太一さんが……あ、ヒカリちゃん顔赤い」 …そんな笑顔で言われなくても、ふにゃっを指摘された時から顔は赤くなってたよ! 〔*back〕〔next#〕 [戻る] |