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「ごめん、俺が悪かった…」

違う、

「ごめんな」

違う、そんな困った顔見たかったんじゃなくて…

「もぅ、ごめ、なさぃっ…」
「…なんでお前が謝るんだよ」

──…本当は、テスト勉強で疲れた太一に笑って欲しかったのに。

涙を止めようとぎゅっと目を瞑ったけど、涙は止まる気配は全く無くて…。
太一は私が泣き止むまでずっと、ずっとそばに居て頭をなでなでしてくれた。




「少し目が赤くなってんな…」
「うん、ごめんなさい」
「だぁから、お前が謝る必要無いんだって、俺の只のヤキモチ」
「ぅ…えっ?」
「タケルの事そんなに嬉しそうに話してるから妬いたんだよ…」

あー恥ずい!と顔を真っ赤にする太一。

っていうことは、私に対して怒っている訳じゃ、ないんだよね…?
そう思うと嬉しくなって、太一に飛び付いた。

太一の表情や、たった一言で泣いたり、笑ったり、左右されてしまう私の心は、少しだけ気まぐれな空に似てるなぁ、とその時思った。
ちなみに今の私の天気は、雲ひとつない“晴天”だ。

そんなご機嫌な私を上手く受けとめる太一は、満面の笑みを浮かべていた。

「…えへへ、太一久しぶりに笑ってくれたね」

こっちまでさらに笑顔がこぼれる。
そんなような人懐っこい笑顔をしばらく独占していた。







「……眠い」

心地好い腕と胸にすっぽり抱きしめられていると、段々と睡魔が襲ってきた。

すると太一はさっきまでの人懐っこい笑顔より少し優しさを含んだ顔をして、

「そっか、俺も此処んとこ勉強ばっかしで疲れたし寝るとするか。
…あ、折角だし一緒に寝るか?」

と言ってきた。


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あきゅろす。
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