メイン小説 ヒカリ視点 ……なんか、つまんない。 「どうしたの?ヒカリちゃん、 もう休み時間だよ」 「…タケル君」 デジタルワールドが平和を取り戻してから、私達『選ばれし子供』はあまり交流が無い。 けれどタケル君は、私が情緒不安定なときにいつも何気なく居る。 そして… 「今、太一さんとあまり話してないでしょ?」 「え、なんで…」 いつも何かと鋭い。 ちなみに、タケル君は私と太一が付き合っている事を知っている。 と言うより、ばらす前から予想はしていたみたいで話してもそこまで驚かれなかった。 前に大輔君に話したときは『兄妹でなんて!』と私達の関係を大反対されて、あまり好きではない視線をそそがれた。 ──それからだっけ、大輔君とあまり話さなくなったのは……。 「ヒカリちゃん?」 …あ、ぼーっとしすぎちゃった。 「ん、ごめんなさい、それで…何でタケル君はわかったの?」 「いや、兄さんが今週からテスト期間入るって言ってたから、 最近全く会ってなくてさ…」 「へぇー…私も同じ、先々週からずっと話してないの」 苦笑いして答えると、タケル君は少し羨ましそうな顔をして、「でもヒカリちゃんと太一さんは毎日会えるでしょ?」と言った。 〔next#〕 [戻る] |