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むしろ、ヒカリの看病を俺一人でやりこなすのは幸せでたまらない。
風邪だから限りはあるけど、いろんな表情独占出来るし、寝顔だってずうっと見放題だ。

「けほ、…お兄ちゃん?顔、赤い…」
「!…、はっ!?」

とっさに頬を触った右手は、確かに熱が十分に伝わってきた。

そんな俺を見てヒカリは、
「お兄ちゃんの方が熱あるみたいだよ?、こほっ…ほら、私とお揃い」
と鏡を俺の方に向けて笑った。

鏡に映った自分の顔よりも、ヒカリの表情に釘付けだった俺はドク、と心が高鳴り体中の脈が反応を示してる感覚がした。


───…かわいい。

そう思うのは、妹としてではなく…1人の人間として。
妹を過保護していた俺はいつからかヒカリを溺愛していて、本当は抱いてはいけない気持ち、そんなのはヒカリが好きってのを自覚した時からわかってた。

だけど、好きで好きで…伝えたくなる。



「…あ、そろそろ昼飯食おうぜ!」

だから、いつ恋愛感情が抑えきれなくなるか分からない気持ちを紛らわした。

「…」
「どうした?食欲無いのか?」
「ううんっ、何でもない!美味しくつくってね」
「おう、任せとけ!お前はお粥で良いよな?」
「…うん」

ま、お粥以外なんて食べさせるつもり無いけど。
とまぁ、そんなことで気持ちを『食』に変換しながら俺は足早にヒカリの部屋を出ていった。

ホント、マジでこれ以上ヒカリと2人っきりだと何するか分からねぇ。

だって心のどこかでは、
『母さんも父さんも早く帰ってきてくれ』と言う気持ちがあって、
でもまた違う心のどこかで、
『このままずっと一緒に居たい』と言う気持ちがあった。


「はぁぁ〜、お兄ちゃん失格だよなぁ…」
妹の事を女の子として見る自分に、深く溜め息をついた。


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あきゅろす。
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