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友情と恋情の狭間で
恋焦がれる朝

朝、目覚めると隣に凛太郎が寝ていた。
いつもと同じ光景なのはずなのに違和感がある。

(…いつ帰ってきたのかな?)

寝息をたてている凛太郎の顔を覗き込み、考える。

―――確か、昨日は凛が終わるのを待ってて…急に気持ち悪くなって寝ちゃって……大学にいたはずだよね?
でも、ココは凛の家のベッドの上…………

記憶が途切れているため、はっきりと思い出せない。
うだうだと考え込んでいると、横で寝ていた凛太郎が目を覚ました。

「…あ、………起きて、たのか…?」

まだ眠そうな目を擦りながら、凛太郎が俺の姿を捉える。

「うん、今さっき起きた」
「そう、か…。昨日はごめんな、遅くなってさ。気持ちよさそうに眠ってたから起こさないように運んだ」

大きな欠伸をしながら凛太郎は身体を起こし、携帯を開く。

「…まだ時間もあるし、今日は豪華な朝飯にしようか」

頭を掻きながら、凛太郎は俺に笑顔を向ける。

(俺…寝てたの?だから記憶がないんだ…)

さっきまで悩んでいたことが、凛太郎の一言によって解決される。
俺も同じように起き上がり、凛太郎の後を追ってキッチンに向かった。



「そういえば今日だっけ?日向さん、出張から帰ってくるの」

食パンを頬張りながら、凛太郎は聞いてきた。

「うん、今日の昼過ぎには帰ってくるって。午後からは休みみたいで『会おうか?』ってメールがきた」

俺は日向という言葉に反応して、すごくニヤけてしまう。

「そっか、じゃあ…講義が終わったら迎えにくるってこと?」

「うん、終わるちょっと前にメールしてって。迎えに行くからって言ってた」

「なら、後で合流だな。俺は委員で頼まれた書類があるから」

「そうなんだ…。うん、分かった」

俺はオレンジジュースを飲みながら、頷く。

「今から待ち遠しいな、久しぶりに会うだろ?日向さんと…」
「うん、早く会いたい。朝なんて早く過ぎればいいのに………」

朝から胸が脈打っていた。
久しぶりに雅明さんに会えることの嬉しさから、落ち着かせようにも治まらなかった…。



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