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友情と恋情の狭間で
辿り着く答え

あの後のことはあまり覚えていない。
知泉に知られないように部屋に戻って、布団をかぶって寝た。
心臓が信じられないくらいドキドキしていて…。
気づかないうちに眠っていた。

俺が後をつけていたことを知らない知泉は、普段通りに接してくる。
俺も普段通りに接しようと努めるけど…うまくいかない。

首を傾げ微笑む知泉に、俺は苦笑いで返すことしか出来なくて…。
今までどうやって接してきたのか…分からなくなった。
過剰なまでに知泉が触れてくるのを気にし…、なるべく大人数で過ごした。

あっという間に一泊二日の合宿は終わり、俺は帰路についた。

家に帰っても…俺の頭の中は知泉のことで溢れていた。

「…いつから好きだったんだよ?」

誰も答えてはくれない。
知泉に聞くことも出来ない。


…知泉と一緒にいたい。
それが俺の答え。


今まで友情という絆で俺たちは繋がっていた。
そこらの友情には負けない。
強く、深く、切れないほどに繋がっている自信はある。

喧嘩もしたことがない。
何かを取り合ったこともない。
互いが互いを理解して、居心地のいい空間に浸っていた。

それが…今、壊れようとしている。
俺が知泉の想いを知ってしまった。

この関係を壊さないために…。
知泉を傷つけないために…。

俺は…どうすればいい?


やっぱり辿り着く答えは…知らないふりをすること。

このままの関係が…一番なんだ。
俺はそう信じて…眠りについた。




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あきゅろす。
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