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友情と恋情の狭間で
幼馴染

幼稚園のころから、いつも一緒にいた。
お互い、そばにいるのが当たり前なのだと思っていたから…。

それは小学校、中学校と変わることはなかった。

少しずつ思春期が近づき、異性に関心を持つようになる年頃――。
クラスでも可愛い子とか、テレビに映る芸能人などに興味を持ち、まぁ…エッチな雑誌などにも興味を持つ年頃だった。
俺も一応、男なわけで…そういう話は好きだった。

幼い頃から一緒にいても、やはり違う人間なわけで…。
趣味やら好きなモノが違ってくる。
つるむ仲間も変わってくる中、俺と知泉はお互いの時間を大切にしながらも一緒にいた。

いつも一緒にいたからなのか…。
学校で楽しく話す奴らよりも、知泉といる時間のほうが好きだった。
特に変わったことをしているわけではない。
自分の好きな雑誌を読んだり、自分の宿題をしたり、たまに二人でゲームをするくらい。

それでも…この時間だけは、他の誰と同じことをしても感じることはない落ち着ける時間だった。

小さい頃は二人並んでいて歩いていると近所の人に「可愛いわね」とよく言われていた。

しかし、身体が成長するにつれ俺は中学生ながら170を超え、筋肉もついた。
その頃から母さんは「可愛くない」と連呼していたのを覚えている。

一方、知泉は昔と変わらず、可愛いまま成長した。
母親似の知泉は、そこらにいる女性よりも綺麗な顔をしていた。
もっと言えば、化粧をすれば女優にも負けない気がする。
中性的な顔に綺麗な黒髪、細身な身体は、男ながらも男女問わず魅了するオーラが見えた。

いつからだったかは…覚えていない――――。

知泉の俺に向ける視線が、少し変わってきたこと……。


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