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友情と恋情の狭間で
時の流れは時として…

どうして…こう早く時間が進んで欲しい時に限って時間の流れが遅く感じるのかな?

2限目の講義中――――

俺は何度も携帯を開いては閉じを繰り返していた。

(…まだ2分しか経ってない……)

この講義が終われば雅明さんに会えると思うと、全然講義内容は頭に入らず時間ばかりを気にしてしまう。
そんな俺の行動をじっと見ていた凛太郎が、ついに耐え切れなくなり小さく噴出す。

「…ぷっ」
「…何、凛?」

俺はどうして笑っているのか分からず、首を傾げる。

「…いや、そんなに何回も携帯見たって時間は変わらないだろ?楽しみなのは分かるけど、この講義は必須なんだから真面目に受けてないと落ちるぞ」
「だって…………分かった」

俺はシュンっと肩を落とし携帯を鞄の中へとしまう。
そして講義室の正面に大きく広がった黒板の文字をノートへ写し始めた。

講義に集中してしまえば、時間の流れは気にしなくなる。
気づけば、教授の話し方も講義の終わりを告げるような口調へ変わる。

「…えぇ、今日はここまでにします。次回はこの続きからと――――」


「終わった!!!」

俺はそそくさと机の上に出していたモノを鞄に収め、凛太郎の手を握った。

「凛、このまま行くの?」

凛太郎は委員の仕事で提出しないといけない書類がある。
その書類を作るためにはパソコン教室に行かなければいけない。

「日向さんが来るまで待ってるよ。それからでも遅くないしな。だからメールして迎えに来てもらうようにしな」

手を握っていないほうの手で、凛太郎は俺の髪を触った。

「ありがとう。じゃ、今からメールする」

俺は鞄にしまっていた携帯を取り出し、メールを打ち始めた。


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