8 闇の精霊の力を借りてどんどん地下へと進んでいく2人。 しばらく沈黙が続いていたが突然「あ」と言ったSSクラスの男がトリスタンの方を向いて、いきなり頭を下げた。 「先程は遅くなってしまい申し訳ありませんでした。 俺はSSクラスをまとめている峰 一(ミネ ハジメ)です。 オペレーターから援軍の要請が来てSSSさんの方に向かってたんですが主が連れてきたと思われる外獣にてこずってしまい…」 敬礼した後、一はここに来るまでの過程を説明した。 「いや…助かった。 それより、これからどうする」 トリスタンは淡々と告げると、一は深刻そうな顔をして言う。 「…再び主に会うとまずいのでSSSさんには俺らの学園に来てもらいます」 黒いフードをかぶっているトリスタン。 「…学園……?」 恐らく一は俺の声を聞いて眉をしかめているような気がしたのだろう。そのあとも丁寧に説明する。 「ええ。 実は極秘でSSクラスを強化するために学園を造ったんですよ」 主の側近だったトリスタンが知るはずもない。 そしてSSクラスが何故異常に強いのかもわかった。 「それなら主は追ってこないし、それに…SSSさんには学園を楽しんでもらいたいんです」 「楽しむ…?」 ポツリと言い放つトリスタンに一はゆっくり微笑み、強く頷いた。 「はい。 主の側近だったSSSさんは常に外獣の討伐や援軍の要請などで戦ってばかりですよね?」 一の問いにトリスタンは短く「ああ」と返す。 「だから学園生活を過ごしてほしいんです。 今のSSの隊員は全員、これから行く学園を卒業した人たちで、みんなは『楽しさ』がわかるからどのクラスよりも強いです。 それに学園で過ごしてきた『仲間』という絆もあるんで強いんですよ?」 (仲間、絆……) 聞き慣れない単語にトリスタンは戸惑う。 トリスタンは孤独なのだ。 Back Next [戻る] |