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(…まずいな)


しかも携帯を見ると、一からであった。


「誰だ」


正反対の方から低く、凛とした声が聞こえる。

そして正反対にいた誰かは、立ち上がってこちらへと来ると感じたと思った時、横を見ると既に仁王立ちした人物がいた。



「誰だと言ってるのだが」


未だに携帯は震えており、そろそろ出ないとまずいか、と思いながらその人物を見る。

黒を通り越して紺色になっている短髪。一重で細い目の瞳は黒く、整った顔立ちをしている。

「2年の、岡崎です」


白い制服を見て先輩だと理解する。だから座りながら言うのは失礼だと思い、立ってから学年と名前を言った。


立ってみると、目線が上にいくほど身長差があることに気が付く。

「何故屋上にいるんだ」



教官から出なくていいと言われました。





それを言ったらおしまいだ。

実践訓練は必修科目だから担当の教官張本人があんなこと言ったとなったら混乱を招き、更に俺の正体が危うくなる可能性もある。


「…」


(…適当に言ってみるか)


淡々と話す先輩は迫力があり、逃げるに逃げれない。

顔を見られたというのもあるので、もし俺が逃げたとしても見つかるのは時間の問題。


頭の中を整理して、少しだけ耳にした噂を言ってみる。





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あきゅろす。
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